鰻の話 その6 - 食べ物・料理・味の旅 - Dengon Net

鰻の話 その6

2008-03-31

今月も、鰻料理について話してみよう。

鰻料理店に出向くと、『鰻会席』とか『鰻づくし』という献立がある。前者は鰻(だいたいの場合は蒲焼か鰻丼・鰻重)をメインディッシュとしたコース料理であり、後者は最初の突き出しからデザートを除いた最後の一品まで、鰻を主材としたコース料理である。

それでは、鰻の料理にはどのくらい、また、どのような物があるのだろう。

先々月号クイズの答の解説にもなるので、列記してみる。

1)刺身、2)白焼、3)田楽、4)蒲焼、5)ぬた、6)う巻、7)うざく、8)う蒸し、9)うの花和え、10)おろし和え、11)かぶら蒸し、12)八幡巻、13)うな玉丼、14)柳川煮、15)すき焼煮、16)肝吸、17)肝焼・肝煮、18)骨煎餅、19)半助(かぶと焼)、20)半助鍋、21)唐揚、22)天ぷら、23)鰻飯、24)鰻茶漬け、25)鰻寿司、26)鰻雑炊、27)飯蒸し、28)干物、29)燻製、30) 鰻パイ、等々。

各々について簡単に加筆してみよう。

1)には、二通りの料理法がある。一つは氷を使った『洗い』。鰻の血液にはイクシオトキシンという毒素が含まれているが、薄くそいだ上身を氷水の中で洗うことにより、血抜きができ、毒消しになるし、臭みも抜け、身がしまる。〆た後は、酢水で洗って仕上げる。

もう一つの方法は、やはり薄くそぎ切りした上身を60~70℃の湯の中で泳がせた後、氷水にとって身を引き〆る。湯に入れることにより、血抜き・毒消しができるのである。前者を氷洗い、後者を湯洗いという。一般的に洗いは山葵(わさび)醤油や生姜醤油、ポン酢で食べることが多いが、癖の強い鰻の洗いは、強めの辛子酢味噌で供される。

2)タレを付けずに焼き上げた物。仕上げに酒やみりんでつや出しする場合もある。炭火が一番だが、ガスや電気の火力でもそれなりに仕上がる。山葵や大根おろし、または生姜醤油等をつけて食べるが、レモン醤油を好む人もいる。

3)筒切りの鰻に味噌ダレを付けて焼き上げた物。

4)前号で紹介したので省略。

5)鰻の身を、若布、若葱、胡瓜、うど等と酢味噌に和えた物。通常1の洗いにした物(どちらででも)を用いるが、まれには2の白焼を使用することもある。

6)、7)、8)、9)、10)共に蒲焼に仕上げた物を用いる。6は鰻入りの厚焼き玉子。7は鰻の酢の物。8は鰻入り茶碗蒸し。9、10は文字どおり和え物。

11)かぶらのすりおろした物の中に食材を包み、蒸し上げた物。料理人や場合により、生のそぎ身、洗い仕立ての身、蒲焼と使い分けられる。味のついたダシ汁を加え、お椀物として供される。

12)味付けした牛蒡(ごぼう)を芯にして鰻(穴子、牛肉、鶏肉、鱧等でも代用される)を巻いて、煮たり、焼き上げたりした物。

13)、14)はよく似た料理で、玉子とじにした物。14では牛蒡と鰻を柳川鍋で炊いた物。

15)そぎ切りを霜降り(湯通し)した物を用いるのが一般的だが、蒲焼でも可。ただし、煮崩れに注意。

16)肝も血と臭みを抜く為、あらかじめ湯がいてから吸地に含ませる。三つ葉、麩、若布等の実と柚子、山椒、生姜などの吸い口を添える。

17)数匹分の肝(内臓一般の場合もある)を串に刺し、タレを付けて焼き上げた物。関西では肝臓と心臓をきれいにしてから串刺しして仕上げるが、関東では俗に「苦り玉」と言われる胆のうも一緒に刺して焼き上げるので、かなり苦い味になる。見栄っ張りの江戸っ子は、粋がってこの苦味を好んだと言われる。焼かずに佃煮風に仕上げる肝煮もある。

以下次号で。