鰻の話 そのⅦ - 食べ物・料理・味の旅 - Dengon Net

鰻の話 そのⅦ

2008-05-01

前号より続いて鰻料理の話。

18)骨煎餅;鰻を割いた時に出る中骨を洗って干し揚げ、素揚げして塩で加味したもの。鰻に限らず、他の小魚(鯵、鰯、鱚、細魚、穴子等)の骨でも作られる。この鰻の骨を揚げ、甘い味をのせた『ウナギボーン』というお菓子もある。

19)20)半助、かぶと焼、半助鍋;2月号に掲載したので省略。

21)唐揚;塩味だけで揚げた物、醤油や酒の下地に漬込んでから粉をつけて揚げた物がある。骨をつけたままの筒切りが一般的だが、高級店では上身で調理されることもある。日本料理よりも、琉球、中華、韓国料理として多く利用される。

22)天麩羅;上身を適宜にスライスして揚げる。素材のくせが強いので、天汁や薬味はやや濃い目にする。

23)鰻飯;用いる容器や盛り方により、鰻丼、鰻重、ひつまぶし等があり、九州柳川地方にはせいろ蒸しもある。

24)鰻茶漬け;3月号に掲載したので省略。

25)鰻寿司;一般的には、にぎり、うなきゅう巻、鰻の押し寿司等が有名。京都の宇治川地域では、筒状にぶつ切りした鰻を塩入の酒に漬けた鰻のなれ鮨、『宇治丸』が古くから作られている。

26)鰻雑炊;雑炊の中に蒲焼を入れた物の他、鰻と一緒に炊き上げた物もある。洋風に仕立てた鰻のリゾットを出す店もあるらしい。

27)飯蒸;餅米と鰻や野菜類を竹の皮で包み蒸し上げた物。中華料理では、蓮の葉を使用する。

28)干物;鰻を丸ごと干す方法、内臓を取り出してから干す方法、割いた鰻を干す方法がある。

29)燻製;人類が火を発見した後、最初にして最高の食品保存法といわれる燻製は、世界各地に伝えられている。当地で販売されているスモークドイール(smoked eel)のルーツは、ドイツといわれている。

30)鰻パイ;鰻パウダー入りのスナック菓子、『ウナギパイ』は静岡県浜松市の特産品で、なぜか『夜のお菓子』のキャッチフレーズで販売されている。また、イギリス料理にはパイ生地に鰻のぶつ切りを入れてオーブンで焼き上げた物がある。このパイにマッシュポテトを添え、リカーと呼ばれる緑色のソースをかけた『パイ&マッシュ』は、『フィッシュ&チップス』と並ぶロンドンっ子の代表的な味として親しまれたが、テムズ川の鰻が激減した為、より安価な牛肉の『ミートパイ』に取って代わられた。この他、英国には、鰻の煮凝り『ジェリードイール』もある。

 これ以外にも鰻を使った料理はたくさんある。東洋では、中国の広東、福建、上海料理で用いられるし、韓国でも唐揚、炒め物、香辛料を使った煮物等を古くから食卓にのせていた。

 前述の英国以外でも、イタリア、スペイン、フランス等の南欧諸国では、ぶつ切りにした鰻をワイン、トマト、ハーブと一緒に煮たシチューや、鰻の酢漬け等がある。

 スペインでは、貴重なしらす鰻をオリーブ油で香辛料と炒める『しらす炒めビルバオ風』という高級料理があるが、現在は天然資源保護の理由でほとんど作らないらしい。    旧約聖書のモーゼの教えに「鱗のない魚、食すべからず」とあり、鰻を食べるのをタブーとする文化もある。特にユダヤ人は豚肉、海老、貝、いか、たこと同様、鰻は口にしない。