味の要素と味付け - 食べ物・料理・味の旅 - Dengon Net

味の要素と味付け

2004-12-24

前回は味そのものについて語ったが、今回は口中以外の「味わう」話をしてみよう。

味の要素

味を構成する要素は、味覚以外にもある。大別すると、(1)感覚的要因、(2)環境的要因の二つに分類できる。

(1)は、前号で述べた味覚の他に、嗅覚(食品の持つ独特のにおい、調理される際に生じる香りなど)の化学的なもの、触覚(食品の弾性、粘性、硬さなど。例えば、松茸や鮑の口中の感触)、皮膚感覚(食品の冷温感など)の物理的なもの、視覚(形、色、光沢、盛り映えなど)、聴覚(咀嚼時の発生声。例えば、沢庵の「ポリポリ」とか蕎麦の「ツルツル」などの音。環境音。BGMなどの音楽)などがある。

(2)は、季節・時間帯・雰囲気・健康状態・食習慣・嗜好などが属する。 中国の陰陽道でも、味の構成は、五味(甘、酸、辛、苦、塩)と四気(寒、暖、涼、温)と説いている。これらの諸条件が相互に影響しあって、味は形成される。人により、また時と場合によって、これらの諸条件は異なってくる。

味付け

味付けとは、味を構成する要素を充分にふまえ、食品に調味料などを加えて好ましい味にする調理技術のこと。この時、調理人は五感に神経を集中させるのは勿論だが、第六感(俗にいうヒラメキ)も働かせ、味の予測、調理進行の度合いを見極めなくてはならない。第六感は、基本的には経験により培われるものであるが、個人差もある。しかし、新しい味や作品に挑戦する時とか、調理の進行状況を掌握しなければならない時には絶対の必要条件となる。

食品の味付け調理法としては、(1)調味料を直接用いる-振りかける・まぶす・漬けダレなど、(2)調味料を作って用いる-浸す・液の中で加熱するなど、(3)調味された食品をかけたり和える-和え衣・ドレッシングなど、(4)その他-調味料を加えるタイミング(加熱前・加熱中・加熱後・供卓時)・加える順序や回数、など多様である。更に、下味や隠し味として少量の調味料による味付けも、料理に深みを加え、旨味を増す効果がある。

味付けの順序と要領としてよく言われる言葉「調味料は“さしすせそ”で」。要するに、砂糖・塩・酢・醤油・味噌の順に調味料を入れる。塩は砂糖より分子が小さいので早くしみ込み、しかも材料を引き締める働きがあるので、砂糖の甘味がしみ込みにくくなってしまう。他の調味料は煮過ぎにより、その特性や香りを失ってしまうため。但し、酢・醤油・味噌は多分にこじ付け的で、砂糖と塩分の順さえ間違えなければ、左程の問題はない。

何度も味見をしていて、しまいに味がとれなくなってしまった経験がある人もいるのでは。舌は段々濃い味に慣れるため、味が濃くなり過ぎる可能性があるので要注意。味見は続けてせず、少し時間を置くか、口をゆすいでからするように。特に、塩を加えた時は、塩が溶けるのを待ってから味見をするのが鉄則だ。