塩の話 その4 - 食べ物・料理・味の旅 - Dengon Net

塩の話 その4

2005-06-01

料理における塩 part2

今回は前回に続いて塩を用いた調理方法の”付け塩・立て塩”についての話。

<付け塩> 置き塩とも呼ばれている。前回塩焼きの説明文中の鰭塩(ヒレ塩)は、本来は調理方法からいうと付け塩である。漬物を作るとき(特に塩漬け)、容器の底の部分に塩を敷き、その上につける材料を置き、振り塩をして更に次の材料を置いていくが、この底に敷く塩を置き塩(または敷き塩)呼んでいる。 材料に塩をまぶして、まな板の上で押しながら転がすことを塩摺りまたは板摺りという。主に、胡瓜・茄子・蕗(フキ)・大根・人参・蕪(カブ)などに行う下処理方法で、材料の色だしの他に表皮の組織が多少壊れて味が馴染みやすくなる。また蕗は皮が剥きやすくもなる。

<塩釜焼き> 付け塩による焼き物である。材料をそのまま、もしくは和紙に包んで、塩または泡立たせた卵白を混ぜた塩(淡塩)で覆い、天火で蒸し焼きにする調理。 材料としては、白身魚・川魚(味が淡白な鮎・岩魚・山女・天魚(アマゴ)など)・海老・蟹・鮑などの魚介類のほか、肉類(鳥の笹身や胸肉など)、野菜類、茸類(特にしめじや松茸)がよく用いられる。 塩釜とは海水から塩を精製する際に使う釜戸で、塩釜の熱い塩の中に獲れたての魚介を埋めて蒸し焼きにしたのが塩釜焼き(単に塩釜ともいう)の始まり。 中華や洋風料理にも同様の調理方法があるが、どちらかというと味を封じ込めることを主目的とし、香辛料やハーブの類を一緒に包み込むので、かなり強めの風味付けをしているものが多い。 宮城県塩釜市の鹽竃(シオガマ)神社の祭器はずばり塩釜で、それが地名の由来になった。最新の塩土老翁(シオツチノオジ)がこの土地の人々に製塩法を教えたとの伝説があり、同時に銘菓”塩釜”(干菓子)も教えたといわれている。

<立て塩> 海水程度の食塩水のことで、魚や野菜の塩〆や果実の切片の変色防止などによく用いる。例えば、鯵(アジ)・鰯(イワシ)・サヨリなどの小魚を三枚下ろしや開きにして上身にした際、この立て塩に漬けて置くと、余分な水分が出て身が締まり、次の工程(酢〆など)がやりやすくなる。 胡瓜揉みや紅白なますを作るとき、スライスした材料を立て塩に入れ、浸透圧による脱水作業をした後、完全に水分を絞り調味酢と合わせると、各素材の味・香り・歯触りがより引き出される。茄子・さつま芋・蓮・蕗・里芋などのアクの強い野菜のアク抜きにも用いられる。