豪州におけるテロ概況
(1)オーストラリアにおいては、近年、重大なテロ事件は発生したことがなく、2007年中もテロと見られる事件の発生はありませんでした。
また、オーストラリアは、2007年APECの開催国であり、9月のシドニーにおける首脳会議、各地で関連会議が開催されましたが、APECに関連したテロ事件や暴力的な抗議活動はみられませんでした。
(2)しかしながら、2001年9月11日の米国同時多発テロ以降、特にアフガニスタン及びイラクにおける軍事行動にオーストラリアが参加した後は、国内外のオーストラリア権益が、テロのターゲットになるおそれがあるとして警戒が強められ、アル・カーイダ関係者を中心としたイスラム過激派の動向に注意が払われています。
(3)2002年10月にインドネシアのバリ島で発生したアル・カーイダと繋がりのあるイスラム過激派ジェマ・イスラミーヤによる爆弾テロ事件では、多数のオーストラリア人が犠牲となりました。
また、2004年9月には、同じインドネシアのジャカルタにあるオーストラリア大使館を狙った爆弾テロ事件も発生しています。更に、2005年10月にも、再びバリ島で同時多発自爆テロ事件が発生し、オーストラリア人が犠牲となりました。
(4)これらのテロ事件の発生を受けてオーストラリアは、インドネシア当局の捜査に積極的に協力するとともに、オーストラリア国内におけるテロ対策を強化して、国内での同様のテロ事件の発生防止に努めています。
(5)こうした中で、2005年から2006年にかけて、シドニーとメルボルンで捜査当局による大規模な摘発が行われ、国内在住のイスラム過激派グループ合計22名が、テロを計画した容疑で検挙されています。
(6)この他、海外テロ組織の軍事キャンプでの訓練に参加したとして、当局に検挙されたオーストラリア人もおり、テロ組織の宣伝に感化された国内在住の過激なイスラム教徒が、国内でテロを敢行することが懸念されています。
(7)なお、オーストラリア政府は国内におけるテロの脅威を最高位、高位、中位、低位の4段階に分けて評価して、テロ対策関係機関によるテロ対策の準備の目安とするテロ脅威警報制度を設けて、これを公表しています。それによると現在の警報レベルは、中位(テロ攻撃が発生し得る)と位置付けられています。
日本人・日本権益に対する脅威
現在までのところ、日本人・日本権益を標的としたテロや誘拐等の脅威は特に認められません。
しかしながら、オーストラリアはアル・カーイダをはじめとするイスラム国際テロ組織からテロ攻撃の可能性を示唆されていることに加え、国内のイスラム過激派によるテロ計画の存在も明らかになったことを考慮すると、巻き添え等、偶発的な被害に遭う可能性もあり、大勢の人が集まる場所では警戒する、周囲の状況に注意を払うなど安全確保に十分留意する必要があります。
また、オーストラリアでは環境問題への関心が高く、環境保護団体が活発な活動を展開している中、2007年は国民の間に人気が高いザトウクジラが調査捕鯨の対象に加えられたことや、調査捕鯨船団が日本を出港した時期が連邦選挙戦終盤と重なったことなどから、例年以上に日本の調査捕鯨が大きく取り上げられています。
反捕鯨団体などの抗議活動がテロにまでエスカレートする可能性は低いとみられますが、抗議活動の現場には近づかない等、十分な注意が必要です。また、捕鯨活動に関する報道に触発された者による嫌がらせなども懸念されます。
我が国の調査捕鯨に対する抗議活動
調査捕鯨に対する抗議活動等に関連し、次の様なことに留意してくいださい。
・デモなど団体で抗議活動をしている現場には近付かない。
・会社、店舗などに抗議団体が訪れ、抗議活動を受けた場合は、冷静に対応すると共に、無用な議論を避け、直ちに警察に通報し臨場を要請する。
また、抗議活動等を受けた場合は、当館までご連絡くださるようお願いいたします。
