日本人に限ったことではありませんが、時折オーストラリア大陸を自転車やオートバイで旅行しようとする方がいます。手付かずの自然が多く、また他の国に比べて「比較的」治安が安定している(日本を除く他の先進国と比較しての話です)ということから大変魅力的であることは確かです。しかし、オーストラリア大陸内陸部のコンディションは、日本人には想像もできないくらい厳しく苛酷です。アウトバックと呼ばれるエリアでは、夏場はもちろんのこと冬においてさえも日中の気温はとても高く、木陰となるものもないのが普通です。舗装されている道路沿いでさえ、ガソリンはおろか水の補給さえ数十キロから数百キロに渡って不可能なケースも多くあります。
南オーストラリア州では2年前に州北部のシンプソンデザートを単身オートバイでニュー・サウス・ウエールズへ横断しようとした邦人男性が、脱水症状で動けなくなり、空と陸からの大捜索の結果救助されるという事案も発生しています。また過去には、南オーストラリア州アデレードからノーザンテリトリーのダーウィンへ向けて幹線道路であるスチュアートハイウェイを無謀にも自転車で横断しようとした邦人男性が、道路沿線に人家もガソリンスタンドも全くないことから、先の邦人と同様に脱水症状になり、危ないところを救助され一命を取り留めるという事案も発生しています。
また、主要道路を利用しての長距離旅行も決して安全とはいえません。市街を抜けると夜間は街灯もなく、自転車ともなれば法律で義務付けられているヘッドライトと赤色尾灯だけが頼りです。舗装されている幹線道路といえども日没後や日の出前の走行は絶対にお勧めできません。
