読書の会 - 特集:メルボルン - Dengon Net

読書の会

2007-03-29

会 則
一、御本をひらける前に五体を清めるべし
一、表紙装丁を愛で想像力を膨らますべし
一、目印のために各頁の角を折るべからず
一、あとがきも作者に感謝して熟読すべし
一、読後、未読者へ内容を暴露すべから

ぎらぎらした不機嫌な太陽も、少し柔らかな微笑みを見せ始めた初秋。「秋の夜長の読書の会」へのご入会をお勧めします。日本語という美しい言語の組み合わせからなる「本」。活字離れした現代日本人の頭上に活字の雨を降らせ、活字の渇きを癒そうではありませんか!! 

ご入会に際し、文学・小説・歴史・エッセイ・詩集そして絵本という枠内で、星の数ほどある書籍の中から、厳選25冊をご紹介します。一息つきたいときや眠れない夜、元気になりたいときや、元気いっぱいのとき、いろいろな場面でお読みください。

自分自身を考えたい tokushu.jpg 桜桃 / 太宰 治
家族の幸福を願い、家族を愛しながら、それを自らの手で崩壊させていく苦悩。読み進むにつれて、家族とは一体何なのか? 生きるとは? と心に響く物語。読むにつれ、どす黒く、同時にまた透き通っていく感覚が味わえる。
正しい恋愛とは? tokushu_20.jpg 痴人の愛 / 谷崎 潤一郎
大正末期の性的に解放された世の中の風潮を背景に、知性も道徳観念もない妖婦の愛欲奴隷となり、生活も荒廃していく会社員の物語。長い間偏り、凝り固まった社会思想が崩壊していく素晴らしさ。世の中の基準とは?
失恋するのも万歳 tokushu_15.jpg 友情 / 武者小路 実篤
「人間にとって結婚とは大事なことに違いない」という自序から始まるこの作品は、一人の女性を巡って、親友との間で起こる友情と恋愛の物語。恋愛にはいろいろな形、表現がある。物事は一概にいえるものではない。


違う世界へ tokushu_01.jpg 砂の女 / 安部 公房
開放的な外の世界の生活から絶望的な不条理の世界へ。砂の世界に転がり落ちた男の心の描写。人間が生きていく上でなにが必要で、なにが不必要なのか? 物が溢れた日常を、もう一度振り返ってみることも大切と実感。
生きることとは tokushu_02.jpg 歯車 / 芥川 龍之介
日常の中で、ただ一つのドラマもなく神・罪・悪魔・天国そして地獄をぼんやりと、意識するともなく意識し、流れていく日々を生きていく。生と死、自分と他人の間に流れる時間を感じることの寂しさやせつなさを伝える物語。
強烈な眠気覚ましに tokushu_12.jpg 憂国 / 三島 由紀夫
2・26事件外伝。新婚の陸軍中尉が、叛乱軍に加わった親友たちを鎮圧するに耐えず、妻とともに自決する物語。当時の陸軍中尉の心の動きを見事に描写した強烈な作品。“三島のすべてを凝縮したエキス”と作者も自負。


自我とその開放 tokushu_16.jpg こころ / 夏目 漱石
作品は「上・先生と私」「中・両親と私」「下・先生と遺書」という3部からなり、人間の自我について探求する。いろいろな場面での、現代日本人と明治人との違いなどに気付かされる点も興味深い。
雪景色を読む tokushu_11.jpg 雪国 / 川端 康成
美しくて悲しい雪国の風景。 そしてその雪国で、島村と駒子の悲しい物語が繰り広げられる。行間をつなぐ日本語の美しさが楽しめ、物語がラストに近付くにつれ、その別れのせつなさが伝わってくる名作。
信念を貫くということ tokushu_19.jpg 菜の花の沖 全六巻 / 司馬 遼太郎
江戸末期、武士とは名ばかりの階級に押さえつけられた実在の商人が、自分の信念を貫きながら、のし上がり、蝦夷地開拓という大業を任せられる物語。成せば成ること、人間には階級や生まれなどまったくの無意味であることを実感。


痛快な気分を味わう tokushu_04.jpg たそがれ清兵衛 / 藤沢 周平
領内の抗争をよそに、病弱な妻とひっそり暮してきた清兵衛が、お家の一大事のために剣を抜く。普段は侮られがちな侍たちの意外な活躍を描く、痛快で人情味あふれる時代物異色ストーリー。 必読。
新しい時代小説を tokushu_13.jpg あかんべえ上・下 / 宮部みゆき
亡者によって座敷を滅茶苦茶にされてしまう料理屋。亡者は誰にも見えなかったが、料理屋の娘おりんにとっては…。ほかとは違う切口で読め、時代物をもっと身近に感じることができる時代サスペンス・ファンタジー。
生きること tokushu_09.jpg 悲しき玩具 / 石川啄木
幼年期から24歳までの多様多彩な内容の「一握の砂」。対照的に、「悲しき玩具」は日常生活と闘病生活から題材がとられている。独特の三行編成で、生きることの素晴らしさと儚さを今に伝えてくれる、日本語ならではの名作。


人として tokushu_10.jpg ねむれ巴里 / 金子光晴
作者の自伝。「どくろ杯」「西ひがし」と続き3部作を成すそのヨーロッパ編は、パリでの2年間を綴った作品。虚飾、偽善、窮乏、愛欲…追い詰められた人間の、動物とは違う儚さ、弱さを浮き彫りにし、目前に突きつけられる作品。
優しい気持ち tokushu_21.jpg 窓ぎわのトットちゃん / 黒柳徹子
トモエ学園のユニークな教育と、そこに学ぶ子ども達をいきいきと描いた感動の名作。落ち込んでいるときや誰かを責めたいとき、心が小さくなっているときなどに読むと、ゆったりとした優しい気持ちになれる。