
新車も中古車も車はクルマ。そんなクルマと細く長く付き合う方法
最近の日常生活の中には、便利で簡単に使える物が溢れています。コンピューター、デジタルカメラ、携帯電話等…、中の構造がどうなっているのかわからなくても、なんとなく使いこなせてしまいます。クルマも同様、エンジンがどうなっていようが、ガソリンを入れて、キーを回せば走り出します。でも免許証はありますか? 購入方法は? 保険に入らなくては? 本当にそのクルマは安全ですか?
すべて理解する必要はありませんが、最低限の知識を持つことによって、より快適にクルマと付き合い、運転することへの責任を持ちましょう。
世界初のガソリン自動車
1883年に英国のゴッドリー・ダイムラーが、小型4サイクル・ガソリン・エンジンを完成。同時期にドイツのカール・ベンツもガソリン・エンジンの開発に取り組み、1885年、それぞれの開発エンジンを搭載した世界初の自動車、ダイムラーは2輪車、ベンツは3輪車を完成させました。そして1886年、ダイムラーは馬車の車体を利用した世界初の4輪ガソリン自動車を完成。これが、私達が日頃よく利用する交通手段、自動車の始まりなのです。
1886年型 ベンツ・パテント・モートルヴァーケン 写真提供:Franklin Mint Co., Ltd. www.franklinmint.jp
ビクトリア州の事故件数
ルールやマナーを守り、整備を怠らなければ、交通事故は起きないはず。肝に銘じておきましょう。
2007年のビクトリア州内での交通事故死亡者数は333名で、2006年の337名を下回り、1952年からの調査以来2番目に低い数字となりましたが、飲酒運転による死亡者数は前年に比べて22名増加の54名となっています。一方、人口10万人に対する交通事故死亡者数の割合は6.38%で、オーストラリア全体の平均8.1%を下回っています。
運転免許証
運転に必須の免許証。取得については12ページの「生活便利ガイド」“運転免許証”と“交通管理局(VicRoads)”の項を見てください。
運転免許には大きく分けて3つの種類があります。
Leaner’s Licence(L-Plate):16歳以上で、Car Learner Permit Knowledge Testと視力テストをパスした者に交付される。常にFull Licenceを持った同乗者が必要。
Probationary Licence(P-Plate):18歳以上で、Hazard Perception Test、視力テスト、Driving Testをパスすることが必要。Lで1年間以上、120時間(10時間の夜間運転を含む)以上の走行をした者(21歳以下の場合)に交付される。3年間。
Full Licance :P-Plateの期間が過ぎ、テストに合格した者に交付される。 なお、ビクトリア州では、多発する若年層(18~25歳)の自動車事故に対処する為、2007年1月から、Victoria’s New Graduate Licencing System (GLS)を実施し、段階的に免許証の内容を変更しています。これにより、Probationary Licence保持者(P-Plater)の飲酒運転、エンジンサイズ等に厳しい制限が導入され、今年7月からは16~21歳のP-Platerの同乗者は一人のみとなります。
またP-Plateは2段階に分けられ、最初の1年間は赤色のP-Plate、その後3年間は緑色のP-Plateの計4年間になります。
登録と保険
車を購入したら、登録を忘れずに。万一の時の為に保険にも入っておきましょう。
登録(Registration):ビクトリア州内の公道を走る全ての車には登録が必要です。登録料は車の市場価格、車庫のある住所によって算出されます。また、売買や譲渡によって名義変更した場合は、14日以内に買主がVicRoadsに届け出なければなりません。
例えば乗用車の場合、①これまでに登録されたことがない、②ビクトリア州だけで登録されていたことがある、③廃車ではない、のうちのいずれかに該当すればVicRoadsに予約を取って登録となります(この時、Vehicle Identification Number(VIN)、Engine Number、Registered Plate Numberを聞かれるので用意しておきましょう)。車は法人、または個人名で17歳以上の人が登録できます。
車の保険
大きく分けて強制保険と任意保険があります。ビクトリア州(州により違う)では、車の登録をした際に払う登録料の一部が自動的にCompulsory Third Party Insurance(CTP強制対人賠償保険)に充てられます。CTPは所有者が起こした人身事故の被害者のみが保険の対象となります。その為、任意保険への加入が必要となり、これには大きく3つのタイプがあります。
①Comprehensive Insurance(総合自動車保険):最も一般的。火災や盗難を含む自分の車の損失や損害、自分の車で他人の所有物を傷付けた場合に法的責任の範囲で補償。
②Third Party Property, Fire and Theft Insurance(火災、盗難、対物賠償責任保険):自分の車が火災や盗難で損害、損失した場合、他人の所有物を傷つけた場合に法的責任の範囲で補償。
③Third Party Property Damage Insurance(対物賠償責任保険):最も基本的。自分が起こした事故ではない場合で、相手の車が自動車保険未加入と確認できた場合に制限付きで補償。また、自分の車で他人の車や所有物を傷つけた場合の法的責任の範囲で補償。
これらの任意保険はビクトリア州ならば、RACV、AAMI、HBA等の保険会社で加入できる他、イエローページ(Car Insuranceの項目)でも探すことができます。
保険料は、車種、年数、駐車場所、使用目的、運転者の数、運転者歴や年齢によって違いますが、各々の保険会社のWebサイトで簡単な見積もり(Estimate)を取ることができます。
中古車の売買
車を売る時、中古車を買う時に必要なことも覚えておきましょう。
売る時
Registrationがある場合、30日以内にVicroadsから発行されたRoad Worthy Caertificate(※RWC)を買主に提示し、Vehicle Registration Transfer Form(名義変更届)に記入します。必要書類を揃えたうえで代理人に委託することもできます。Registrationがない場合はRWCは不要です。
買う時(個人売買の場合)
まずはRegistrationの有無と所有者、盗難車、担保物件ではないかを確認します(VicRoads Securities Registerで照会できます)。
Registrationがある場合:30日以内に発行されたRWCを売主から入手し、ナンバープレートの有無を確認、Vehicle Registration Transfer Formに記入のうえ、購入から14日以内にVicRoadに提出しなくてはなりません。この際、変更手数料、Motor Vehicle Dutyを支払います。 Registrationがない場合:名義変更届けの記入は不要です。
また、中古車を購入する際は、事前にトラブルを防ぐ為、VicRoadが発行しているVIP (Vehicle Information Package)も便利です。VIPにはRegistrationの失効、取り消しなどの状態、届け出された盗難車、車の名義変更回数と車庫のある場所などがリポートされています。
※RWC:車を売る時、または中古車を再登録する時に必要で、一般道での走行の安全性を検査します。車両 検査官や指定されたサービスステーションで依頼し、発行してもらいます。
自分でできる各部の点検と整備
中古車を買う場合、メカニック等の、きちんとした技術・知識を持った人に見てもらうのが最善策ですが、そうでなくても、自分でできる最低限の確認箇所があります。また、定期的に点検し、エンジンオイルやラジエータークーラントを交換することで、クルマをより長持ちさせることができ、修理費の節約にも繋がります。車の整備は、「しておけばよかった…」では手遅れです。安全に乗ることは、あなただけの問題ではありません。あなたに関わるすべての人の為に、各部の確認、点検を。
ボディ

ボディパネル
パネル同士が一致しているか?
外からは見えない内部の繋ぎ目等が密着しているか。外側カバーのみ修理していることもある。
水漏れ
トランク内などに痕跡がないか?
走行時
音
異音がないかどうか?
トランスミッション
トランスミッションの切り替えが
スムーズに行えるか?(AT車)
トランスミッションフルードは、40,000kmまたは36ヶ月が交換時期の目安。
ハンドル

グリップやシフト等、全体的に“緩み”が出てきていないか。
インテリア

水漏れ問題
フロントガラス、ヒーター等から、水漏れしていないかを確認。
シートベルト
古くなり、ロックしない、急停止しないなど、機能しない場合がある。
交換可能(1本 / $300~400)。
窓枠
古くなると水漏れの原因や、隙間が発生する。交換可能($120~)。
排気ガス
エンジンをかけた状態で、におい、色、排気音を確認。
におい
鼻を突くようなにおいがする場合は、燃料が濃すぎるか、不完全燃焼を起こしている可能性がある。
色
基本的には無色。黒い場合は、燃料が濃い、または不完全燃焼を起こしている可能性がある。白い場合は、エンジンからの温められた水蒸気が排出されるので、少し放置して消えるのを確認する。
いつまでも白い煙が漂っている場合、オイルが燃焼されている。
排気音
正常なエンジンの排気音は、リズミカルで力強い。
タイヤ/ブレーキ
・4本のタイヤが均等に磨り減っているか? 均等でない場合はブレーキの効きを良くする為、状態の良いタイヤを前輪に履かせる。スリップラインに達したら、交換時期の目安。
・ブレーキパッド交換時に、ブレーキフルードも交換、または走行40,000kmまたは24ヶ月が交換時期の目安。
オイルゲージ:オイル漏れの全ての原因は、オイル交換をしない為に起こります。

・ テップスティック(写真左下の黄色い部分)を引き抜き、オイルがLとH間にあることを確認。オイルが、Lよりも下にある場合は足し、汚れている場合は、交換する。
・ オイルシール周辺からの漏れがないか確認。
・ エンジンオイルは走行7,500kmまたは6ヶ月ごとに交換する。
・ エンジンオイルフィルターは走行10,000kmまたは6ヶ月ごとが交換時期の目安。
・トランスミッションオイルは透き通ったピンクであること。(AT車)
ウォッシャータンク
走行時の視界確保の為に重要な箇所。常にきれいな水を補給し、ノズル部分から左右均等に水が出るようにしておく。交換可能。
バッテリー

電気系統全般に影響する部分。 最近のバッテリーはメンテナンスフリーが多く、問題がある場合は交換。バッテリー上部の+と-の端子部が錆びている場合や、腐食(白っぽい粉が付着)している場合は、70℃前後のお湯で洗い流し、腐食止めスプレーを塗る。
ラジエーター

冷却水には“Coolant”を使用。普通の水を使用した場合、水が通過する箇所が錆びたり、腐食する場合がある。また、氷結や蒸発しにくい特性もある。Coolantは常に満タンで、色はきれいな緑やピンクであること。 走行40,000kmまたは24ヶ月が交換時期の目安。
リザーバータンク
ラジエーターへのCoolant補充タンク。MinとMaxの中間の水位を保つこと。
