森永 泰弘|サウンド デザイナー - インタビュー - Dengon Net

森永 泰弘|サウンド デザイナー

2004-07-01

森永 泰弘|サウンド デザイナー プロフィール: 1980年生まれ 東京出身。 1999~2001年 東洋大学在籍。振付家、ダンサーとして様々なアーティストとコラボレーションを成功させる。  2001~2003年 London School of Economics 在籍。英国での生活と世界各地への旅で得た様々な経験知識から、テクノロジーが人間に及ぼす影響を音を通して表現することを始める。 2004年 Victorian College of the Arts(The University of Melbourne)にてサウンドデザインを学ぶ。


-なぜ今、「サウンドデザイン」なのでしょう?

サウンドデザイナーになるまでの道のりは、紆余曲折でした。両親に勧められてクラッシックバレーを習ったのが、音楽との最初の接点だったかもしれません。子供の頃からダンスは好きでした。マライやキャリーのバックダンサーを見て衝撃を受け、ZOOというポップグループのメンバーにダンスを教わりました。その頃はダンサーとしてTVやイベントに出ていたこともあります。 でも、何かが違う気がしていました。本当に「音・音楽」が好きなんだと気づいたのは、2002年にイギリス留学してからです。日本では自分が好きなものを見つけるのが難しい環境だと思います。「確信するのが怖い」とでもいうのかな。「本当にこれで食べていけるのか、一生打ち込めるのか」と考えたときに答えが出せなかったんです。 日本で「音」の道に進もうと思ったら、専門学校かレコード会社に行くような道しかない。目指していたのはそれとは違う。

-それでイギリスへ?

日本の大学で英米文学を専攻し、London School of Economics で国際関係やメディアについて勉強しました。学生生活と平行して、幸運なことに、音楽好きなことを聞きつけた友人の紹介でレコード会社の「新人発掘」の仕事をすることもできました。現場で多くのことを学びました。 ただイギリスの「音作り」は、どちらかというと「エンジニアリング系」なんです。いわば、スタジオで働く技術屋さんを育てる、というのかな。今行っている学校では、創造力が重視され、「テクノロジー」を会得して音をどう作るか、ということを学んでいます。

-メルボルンはどうですか?

イギリスからオーストラリアに来て、最初に困ったのは、英語がぜんぜんわからなかったことです(笑)。耳はいいはずなんですけどね。発音がまったく違う。友人と話すようになってやっと最近慣れてきました。

-「サウンドデザイン」というの はどういう仕事ですか?

裏方です。でも、なくてはならないものです。たとえば、テレビや映画の中で、この場面にはこの音楽が合う、このアニメキャラクターにはこの音が合う、ということを総合的に考え、作り出していく仕事です。作曲や効果音を作ることはもちろん、既存の曲を使うときは著作権のことがあるので、使用許可をもらう手続きもします。

-「目指す音」はどんな音?

現在はコンピューター上であらゆる音を作り出せるのですよ。僕は自然な音とテクノロジーを一つのものとしてみることに注目しています。 たとえば「キーッという嫌な音」は、ギューッと強く押すからこそ嫌な音になる。感情が伴うのです。「嫌な音」をテクノロジーを使ってどれだけ表現できるか、感じ取る音にできるか。また「嫌な音」はどうやったら不快ではなくなるのか、リズムとして受け入れられるようになる境界線はどこかを見つけることとでもいうのか…。 テクノロジーは機械なので人間とはある意味で敵対する関係だと思うのですが、それを利用してどこまで自分の直感を音にしていくかに挑んでいるような感じです。

-普段の生活は?

学生半分、仕事半分というところでしょうか。勉強を続けながら、「音作り」をしています。今住んでいる所はキャンパスから便利な所なのですが、朝から晩まで結構「騒々しい音」がする場所なんです。静かな所に引っ越して、好きな音楽を聞いていたいです。

-今回のショウの「聞きどころ」 は? (※註 下記参照)

音が3次元的なところ、体感する音楽になっているところです。バッハの曲を使いましたが、跡形もなく崩しました。テーマが「消し去ることのできない顔の傷、痛み」という心理的なものなので、ちょっと気持ち悪いな、変な感じだ、と受け止めてもらえたら嬉しいです。

-これからの活動、豊富は?

6ヶ月間は残りの学生生活を楽しみつつ、「音作り」を続けます。今の学校を卒業したら、サウンドデザイナーとして打ち込める場所が、世界のどこかにあると思うので、そこに行きますよ。


●森永さんのホームページ。作ったCDの紹介もあります →http://www.r-ina.com

●「Wounds To The Face」 7月4日(日)まで上演中(※註) 芸術性、創造性に優れた舞台で評価の高い劇団「Black Box Theatre」の舞台に、森永さんがサウンドデザイナーとして参加しています。 場所:「Theaterworks」 14 Acland St, St.Kilda お問合わせ、予約 Tel:03-9534-3388