山口幹太(プロダクション ディレクター) - インタビュー - Dengon Net

山口幹太(プロダクション ディレクター)

2004-12-15

CM界の奇才Mark Toiaの元でCM製作に携わる山口さんにお話を伺いました。


―なぜCM製作の道へ進んだのですか?

大学卒業後、医療関係の商社を経て旅行業界で働きました。やりがいがある職場でしたが、自分の将来の姿をイメージしたときにギャップを感じていました。この時期「自分が何をしたら理想の環境が作れるか」をひたすら模索していたのだと思います。 自分の作った物を世に残して自分の存在価値を自分で確認したい。そんな思いからクリエイティブな仕事を目指し、旅行業界で働きながら夜は東京のデジタルハリウッドという専門学校でCGの勉強を1年間しました。そのうちにグラッフィックよりも実写に興味があることに気づき、初めて自分が目指すべき道は映画やTVではないのかと悟ったのです。そうして業界をリサーチした結果、日本でスタートするよりも海外で挑戦した方が大きな物の見方ができると思い、海外行きを決意。アメリカへは実際に1週間の下見に行きましたが、結局気候のよさや費用の面からオーストラリアを選びました。

―初めての海外生活はどのようにスタートしたのですか?

最初はホームステイをしながら語学学校に通学。無我夢中で英語を勉強しましたね。何しろ僕はTVや映画の世界でディレクターとして活躍したいわけですから、英語は喋れて当たり前。その上で+αが求められる仕事。だから英語の勉強ばかりに時間を費やせなかったんです。一番効果があった英語の勉強方法は映画のDVDを2回見ること。1回目は字幕なしでリスニング力をフル活用、2回目は字幕ありで見て理解する。後はモチベーションの問題で「自分は何のために英語を勉強するのか?」ということをいつも明確にしておくことが、勉強の効率を上げるのに重要だと思います。

その後2年間シネマの製作過程をオージーに混じって学びました。在学中は現場を知るために、友人知人にいい仕事があれば紹介して欲しいと言って回っていました。 そんな中、公園でやっていたサッカーがきっかけでフリーの写真家と知り合いに。彼の下でボランティアスタッフとして撮影を手伝うようになりました。

―現在の会社との出会いは?

ある日「アジア人エキストラを探している」と元ボスだった写真家から連絡があり、CM撮影の現場に行けばチャンスがあるかもしれない、と二つ返事で出かけました。その時のディレクターが、後々僕のボスになるマークだったのです。僕はエキストラ役を務めながら、ディレクターなどに「ノーギャラでも仕事をするので呼んでほしい」と頼みました。でも、いくら待ってもお呼びがかからなかったので、貰った名刺のメールアドレスすべてに何度も近況報告や「仕事をください」などのメールを送りましたね。 ラッキーにも「仕事があるから来るか?」って電話がありましたが、ちょうど撮影の日に友達と旅行の約束があったので断わりました。で、電話を切ってすぐ「なんて馬鹿なことをしたんだ!」と気づいたんです。「僕はここでTVや映画の仕事をするために来ているんだ。チャンスを物にしなければ成功できっこない!」って。 それからは、ボランティアとして撮影現場を助けているうちアルバイトに格上げになり、学校を卒業するときにはビジネスビザをスポンサーしてもらい、社員として働くようになりました。

―今はどんなお仕事をしています か?

僕の仕事であるProduction Assistantはディレクターが描くCM世界の実現をサポートすること。撮影場所の選定から機材、小道具集め、撮影の段取りも組みます。また自分でメーキングムービー(撮影現場裏)を撮影、編集してクライアントに納品するのも重要な仕事の一つです。車のCM撮影の場合、ワンテイク撮るたびに車が泥だらけになるようなシチュエーションでは、毎回車を洗ったりと、ありとあらゆる仕事をこなします。

―CM製作に携わってみてどうですか?

世界的にもCM製作で認められ数々の賞を受賞しているディレクターMark Toiaの元で働くのは何かと刺激的です。トップクラスの製作現場、優秀なスタッフの中に僕がいて、ディレクターのノウハウであるイメージ作りや技術を吸収しています。絵コンテをひとコマひとコマ綿密に書いて、それを実現するためにスタッフ一同で造りこんでいく。数十秒のCMの中には凄いエネルギーが詰め込まれているんです。そんなクリエイティブな仕事をしていると、やめられませんね。将来的には自分がディレクターとして撮ったCMが世界で評価されるような、メッセージを発することのできる作品を創造したいですね。


山口幹太 1974年 東京生まれ。 2000年 学生ビザで来豪。Australian College Of Englishで英語を習得した後、Queensland School of Film & Televisionで2年間映画製作について学ぶ。 2002年 Zoom Film & Televisionに入社。ヤマハ、コンラドカジノ、Bank of QueenslandなどのCM製作現場に携わる。

Zoom Film & Television kanta@zoomfilmtv.com.au http://www.zoomfilmtv.com.au/