「石の上にも3年ではなく、15年」とおっしゃる啓子さん。「メディカルツアー」というオリジナル企画のツアー会社の仕事は、お客様の予定に合わせるので時間のコントロールはできない。その上ジャパン・フェスティバルの実行委員長も努めた。そのバイタリティの源は?
初めてのボランティアは、使った時間以上に学んだことが多かった。
お客様の満足度が自分の励みに
元々ガイドの仕事が好きでした。会社を立ち上げる時、オリジナル性がないと自分でも力を注げないと思い、個人的にも興味があった医療施設や介護施設見学を中心とした企画を立てました。日本への情報提供にもなりますし…。日本で宣伝はしていないのですが、「医療プログラムのコーディネーターをする会社」と看護協会などから紹介されていらっしゃるお客様が多いです。
看護師さん、保育士さんといった専門職の方がほとんどなので、ご自身の職業に役立てるようにという意気込みでいらっしゃいます。それに応えられるように、ニーズに合わせてお連れする場所などは変えます。小児科医に介護施設を見てもらっても意味がないですから。お客様に合わせて、メルボルンにあるものをフレキシブルに提供していくようにしています。
帰国時に「勉強になりました」「日本で仕事に役立ちそうです」と言われることが何よりの宝です。
使った時間以上に学んだことがある
5月にあった第6回ジャパン・フェスティバルの実行委員長を務めました。今年はこれまでと違い、JCV役員が全員執行委員として始めた意義のあるものでした。また、多くの方に協力してもらいました。全員ボランティアです。ボランティアは初めての経験でしたし、取りまとめは大変でしたが、仕事や友達とは違う関係の人たちと出会い、学んだことは大きかったです。目標を達成するために、いい意味での緊張感があり、揉め事も起こりませんでした。皆さん、お互いを理解し、エネルギッシュに動いていただきました。大仕事だったからこそ、終わったあとの満足感も高かったですね。はまりました!(笑)
来年は日本人とオージーだけでなく、他国の民族の人たちにもマーケットを広げ、充実度の高い催しにしたいと思っています。
土曜日はファミリーディナーの日
オーストラリアには「サンデーロースト」といって、週1回ファミリーが集まる日があります。それをもじって「土曜日の夜は家族で食事」と決めています。家でお客様を招くこともあれば、いろいろな国のレストランに行くこともあります。食文化から他国に興味を持つ、色々な味を楽しむことを一緒にしていきたいと思っています。
また、ツアーの仕事をしている以上、「明日予定が入ってしまうかもしれない」ので、「今日行く」と思ったら行動に移します。時間ができたときにサッと旅行に行きます。とはいえ、今では子供達が無理して付き合ってくれるのは、母の日と誕生日ぐらいですが(笑)。
以前は、土曜日が家事デーと決まっていて、家族全員で掃除を分担してやっていました。子供達は、夫が掃除機をかけたり、食事の支度をしているのも見ていたので、今では自然に必要なことは自分でやっています。「あれしなさい、これしなさい」とうるさく言うと、子供はやりませんが、責任とやる気を持たせ、多少へたくそでもほめてあげると、自らやるようになるのがわかりました。
夫が3年前に亡くなったときは、仕事をしながら子育ても生活も一気にのしかかってきたので大変でしたが、子供達も成長し落ち着いてきました。息子はTAFEに行きながら、「職人見習い」もしています。娘は大学をやめて「今しかできないことをしたい」と東南アジア系のエージェントでモデルをしています。
親の思いとは別の道をすすむかもしれませんが、私もいろいろなことを試して自分の好きな道を見つけたので、こんなものかなと見守っていきたいと思っています。
デービス啓子(デービス けいこ) 1950年 宮崎県出身 高校卒業後、5年間日本国内を放浪して回る。 その間バスガイドをしたり、設計事務所でも働いた経験がある。 24歳で東京に戻り、東京杉野学園でパターンの勉強を始め、2年後にアパレルメーカーに就職。海外研修のため英語を勉強しに行った先でご主人と出会い、結婚。 28歳でメルボルンに来る。 13年間パターンメーカーなど勤務後、ツアー会社を立ち上げて15年目。



