北朝鮮の核実験、波紋広がる
10月9日、北朝鮮が地下核実験を行ったことが判明した。北朝鮮のテレビで発表され、韓国、アメリカなどでもこの情報がほぼ確実であることを確認したと発表した。これは中国、韓国、日本など隣国にとって大きな脅威であると同時に、世界的な核のバランスという点でも大きな事件として衝撃をもたらし、「同様の野心」を持つとされるイラクの動きも合わせて注目された。
北朝鮮ではアメリカが直接、北朝鮮に対する経済制裁の方針を変える話し合いに応じない限り、核ミサイルを発射する用意があるという姿勢を明らかにし、予断を許さない状況となった。
この北朝鮮の動きは、オーストラリアにとっても対岸の火事とはいかず、北朝鮮のミサイルの照準圏にはダーウィンも含まれるなど、直接的な脅威として受け止め、経済制裁を加えるという日本の動きに同調する姿勢を明らかにした。
またオーストラリア沿岸への北朝鮮籍の船による麻薬の密輸事件が繰り返し起きている問題もあり、北朝鮮籍の船の寄航を制限する意見も出た。ダウナー外相は、経済制裁を検討しているとしながらも、北朝鮮への食糧援助に関しては予定通り行うことを明らかにした。
その後、専門家の分析結果によって、実際の核実験の威力は60年前、広島・長崎に投下された原子爆弾の3%に過ぎなかったことが判明し、大規模な実験の不発だったのか、小規模な実験で技術を試したのかが疑問として残る形となったが、核実験を行った事実に変わりはなく、北朝鮮側は新たな経済制裁を攻撃として受け止めて対処するとも発表しており、今後の情勢が懸念されている。
原子力発電所へ前向き

ハワード首相は地球温暖化への対策として、従来の火力発電による二酸化炭素の発生を抑制するため、原子力発電を導入する意向を明らかにした。最初の原子力発電所は早ければ20年先には実現する可能性が出てきた。政府内の閣僚も、原子力発電を来年の連邦議会選挙の争点の一つとして捉え、ハワード首相の発言を支持することを表明した。
これに対し、野党の労働党は国内に原子力発電設備を置かない方針を示している。またグリーン党や自然保護団体などでは、原子力発電は安くもないし、安全でもないとして反対しており、温暖化対策としては京都議定書に署名して長期的な環境対策を講じることを求めている。
総選挙の予想
一年後の連邦議会選挙の行方を占うのはちょっと早いが、エイジ紙などが行った世論調査によれば約70%の人がハワード首相の連合政権が勝つことを予想しており、労働党勝利の予想20%を大きく上回った。選挙の争点は健康や病院の問題、労働法、経済になるだろうとしている。
また首相としての人気でもハワード首相の54%がビーズリー労働党首の34%を上回った。
また同時期に行われた調査では、イラクからの撤退を支持する声が60%近くを占めた。これはイラク情勢が連日のニュースによって報道され、一向に平和に向かっていないことへのいらだちを反映しているものと思われる。
キム・ビーズリー労働党首は、労働党が政権を取った場合にはイラクからの早期撤退を実現すると公約している。これに対し、イラクの副首相はロンドンでの会見で特にこの発言を捉えて、西側はイラクを今の状態で投げ出すことはできない、イラクは中東和平さらに世界情勢にとって非常に重要だと述べて反対している。
