原子力発電所にゴーサイン
11月21日、ハワード首相から任命されて、原子力発電所を建設する可能性を調査してきた特別調査団が調査結果を報告した。
調査団のジギー・スイコウスキー団長(前テルストラ社長)は、政府が地球温暖化による環境変化に対応することは非常に大切になってきており、このために原子力発電を視野に入れることが必要だとの結論を提出した。
この報告書によれば、2050年までに25ヶ所の原子力発電所を建設し、電力の30%を供給できるとしている。
現状では、石炭を使った発電に比べ、原子力発電は20~50%コストが高くなっているが、環境保全を目的として、環境を汚染する事業への課税制度が導入されることを見越し、それをコストに加算することで、原子力発電が競合できるようになるとみている。
これに対し、環境保全団体などでは、同様の条件を与えれば、風力や太陽熱による発電、更には現在よりもずっときれいな石炭による発電技術も開発でき、充分に採算が取れるようになるとして、原子力導入の根拠を否定している。
また各州の首相も相次いで会見を行い、州内に原子力設備を置くことを認めない方針を明らかにした。ハワード首相は、まだ結論が出たわけではないとして、今後、前向きに検討していくという慎重な態度を見せた。
ゴア前副大統領の講演
大統領選挙に敗退してから、政界を引退し、環境問題に取り組んでいるゴア前米副大統領は、自ら製作した映画、An Inconvenient Truthを携えて来豪し、講演を行った。この中でゴア氏は、原子力発電は答えではないと指摘し、ハワード首相の方針に疑問を投げかけた。
カンタス売却か
アメリカの投資会社とマッコーリー銀行がカンタス航空への投資に興味を持っていることが報道され、11月に入ってからカンタス航空株は15%もの値上がりをみせた。
カンタス航空は1995年に民営化されるまでは国営だったため、海外資本は49%以上の株を所有できないという特別法がある。このためオーストラリアのマッコーリー銀行が間に立った形となる。提示価格は100億ドル以上ともいわれている。
実際の売却までにはまだ多くのハードルがあるが、フライング・カンガルーとして知られるカンタス航空への海外資本の参入を歓迎したくないムードも流れている。
また売却が行われると、事業体制の見直しによって、機体整備などの分野が切り離される可能性もあり、3万4千人の従業員の間には不安が流れている。
山火事被害が続出
毎年、オーストラリアの夏には山火事(ブッシュファイヤー)が避けられないニュースとなっているが、今年は旱魃の影響で、特に空気が乾燥しており、早くも各地で山火事の被害が報告されている。
NSW州の景勝地、ブルーマウンテンでも山火事が民家に近付いて被害を出し、この夏の最初の死者が報告された。ビクトリア州内でも落雷などによって各地で山火事が発生している。
南太平洋の動乱 トンガに波及
フィージー、ソロモン諸島など南太平洋諸国での内紛が続き、「地域の警察」として平和維持に協力する機会の増えているオーストラリアだが、今度はトンガで暴動が起きた。
オーストラリアはニュージーランドと共に軍隊と警察を派遣し、トンガ政府の暴動鎮圧に協力した。トンガの首都は80%が焼き討ちに合うなど、深刻な被害が報告され、現地に住むオーストラリア人の避難活動なども予定されている。
フィージーでも再び
フィージーでも、反政府を唱える軍の上層部がクーデターも辞さない態度に出ている。ニュージーランド政府関係者などが折衝に当たっているが、オーストラリア政府はフィージーへの不必要な旅行を避けるよう警告を出している。
イアン・ソープ引退
11月21日、オーストラリア水泳界のエース、イアン・ソープ選手が会見を行い、水泳競技から引退することを発表した。
ソープ選手はまだ24歳で、シドニー、アテネ五輪で活躍して多くのメダルを獲得し、世界的にも人気が高い。アテネ五輪以来、休養していたが、北京五輪に向けて調整に入ると期待されていた。
