ラッド新首相と今後のオーストラリア - ニュース&トピックス - Dengon Net

ラッド新首相と今後のオーストラリア

2007-12-21

ケビン・ラッド新政権

2007年11月の総選挙の結果、労働党による新政権が誕生したが、お祭り気分も束の間、ケビン・ラッド新首相は息つく暇もなく、国民に対して「100日政策」と銘打った、広範囲にわたる左記の課題に取り組む姿勢を発表した。

・内閣の公式発表
・気候変動への取り組み
・教育
・健康&病院
・公益事業
・国防&外交
・労使関係

ラッド首相就任後、早々にバリで開催された環境サミットが新政権としての最初の主な活動となった。環境問題は労働党の主な公約の一つであったため、早くも選挙活動中に掲げていた、「新しいリーダー」としての姿勢を国内外に具体的な行動で示したことになる。ラッド首相就任後の新政府の動きは左記の通り。

◆京都議定書の批准
ラッド首相は12月3日、京都議定書に調印した。これはラッド新政権がスタートしてから初の公式な活動となった。この議定書は国際連合(EU)へ送付され、2008年3月下旬に正式に京都議定書の署名・批准国となる予定。

これにより、オーストラリアは2012年までに1990年レベルの、マイナス8%という温室効果ガス排出量の削減数値目標を提示したが、12月のバリの環境サミットでは、諸外国から、先進国として削減目標数値を上げるべきという意見も出た。現在、京都議定書の署名・批准国は、オーストラリアを含め81ヶ国となり、政府は今後、排出権取引なども積極的に推進していく予定。

◆豪軍の一部イラク撤退
イラクに派遣されているオーストラリア軍の戦闘部隊が、2008年中旬までにイラク南部ジーカール県およびムサンナー県から撤退することが発表された。今回の豪政府の決定は、イラク南部地区の情勢が安定してきていることによるもので、約570人の豪兵士が撤退する。

このラッド政権の決断に対し、ジョン・ハワード前首相は「現段階での撤退は、テロを促しているようなものだ」と批難したが、アメリカ政府はラッド首相に全面的な理解を示しており、将来イラク政府の組織再構築での役割などを含めた、別の形での協力を期待している。なお、現在イラクや周辺地区に派遣されている約1000名の兵士、水兵、空軍など他の人員の撤退予定はない。

news_01.jpg

◆アボリジニ先住民に謝罪予定
ラッド首相は、ハワード前首相が拒否し続けてきた、アボリジニ先住民に対する公式の謝罪声明を、早い段階で行う意志を明らかにした。これは、オーストラリアの過去の政府が、アボリジニの子供達を組織的に親元から引き離し、白人文化の中で養育する政策を取り、「Stolen Generations(盗まれた世代)」を生み出したことに対する謝罪となる。先住民リーダーは、ラッド首相の動きを歓迎しており、「謝罪は先住民にとっては感情浄化効果になり、和解への第一歩。今後、謝罪だけに留まらず、先住民の生活水準の向上などにも積極的に取り組んで欲しい」と話している。

◆労働党の教育政策
ラッド首相は、「教育革命」という名目で、教育政策を最優先事項として取り組む姿勢を明らかにした。その最初の計画案として、公立、私立に関わらず、9年生から12年生の生徒全員へのコンピューターの購入が提案された。具体的な実施に関しては未定。