ラッド首相、中国訪問でチベット人権問題を批判
ケビン・ラッド首相は、3月から4月にかけて18日間にわたり、首相として初の主要国の表敬訪問をした。訪問国はアメリカ、ヨーロッパ、中国だったが、中でも将来の貿易主要相手国を期待する中国には、4日間滞在。滞在2日目に行なわれた、北京大学での講演では、首相が得意とする、中国語でのスピーチを披露した。
今年8月に開催予定の北京オリンピックを前に、中国のチベットに対する人権問題が世界中で取り上げられている中、ラッド首相も諸外国同様中国を批判したが、これに対し中国政府は、「外国政府が国内の内政問題に干渉する権利はない」と強く反論。それでも、両国間の深まる外交や、閣僚級レベルで気候変動問題に取り組むことに対し合意をする等、結果的に両国の関係を深める結果となった。
ラッド首相のオリンピック開会式の出欠席に関しては、今のところ未定。
チベット活動家、抗議活動予定
北京オリンピックの聖火リレーが4月24日にキャンベラで実施される際に、チベット活動家達は、ロンドンやパリで起きた聖火を消そうとするような抗議活動ではなく、あくまでも平和的で非暴力の抗議を行なうことを公表した。

チベット語のラジオ局Voice of Tibet Australiaのスポークスマン、ダグダック氏は、「チベットで起きている人権侵害問題に対し、世間の注目を集める為には、今回の抗議活動は非常に効果的である」と話した。(4/13現在)
クエンティン・ブライス女史、国内初の女性総督に
4月13日、25代目の総督として、初の女性総督となる、クエンティン・ブライス女史(65)が任命された。
ブライス女史は、今回の任命により、延長したばかりのクイーンズランド州総督の任期を切り上げ、9月5日より、現総督マイケル・ジェフリー氏から正式に総督の地位を引継ぐ予定。クイーンズランド州の奥地イルフラクームで生まれ育ち、5人の子供と5人の孫を持つブライス女子は、元男女差別問題理事であり、弁護士のキャリアを持つ才女。
今回の任命に対し、ブライス女史は、「今の時代、やる気になればなんでもできる、ということをオーストラリアの女性達に伝えたい」と話した。 女性が総督に選ばれたのは、史上107年目にして初めて。
オーストラリア2020サミット、成功に幕を閉じる
オーストラリアの将来に向けてアイディアを話し合う、2020年サミットが4月19日から2日間にわたり、キャンベラで開催され、国内各地から1002名の代表が集合した。あらゆる分野の代表の中には、3人目の男児を出産したばかりの女優のケイト・ブランシェットやスポーツ選手等の顔ぶれも見られた。
今回のサミット開催に対し、ラッド首相は「ユーモアを持って、率直に話し合える性格のオーストラリア人だからこそ実現できた。今回が終わりでなく、これからがサミットの始まりである」と発言した。
サミットでは、健康、経済、政府等多方面に渡り、アイディアが発表され、将来は太陽熱を新たなエネルギー源として活用することや、アルコールやタバコの増税、脂肪分の高いジャンクフード等にも税金をかけること、またラッド首相からは、低額のチャイルドケア等、児童福祉の充実が発表された。 これらの意見をどのように実現させていくかが、今後ラッド首相の大きな課題となる。
国内消費物価、2大大手スーパーが鍵を握る
4月に開催された、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)の公聴会で、主要大手スーパーマーケットチェーンのコールスとウールワースが商品価格を引き上げていることが指摘された。
1990年以来、スーパーマーケットの商品価格は急騰し続けており、経済協力開発機構(OECD)のデータによれば、その速度は他の先進国の倍と言われている。また90年代以来、インフレになった先進国の食品価格は低下している一方で、オーストラリアでは上昇している。
ちなみに1990年以来、消費者物価指数が60%上昇しているのに対し、パンは123%、牛乳は113%、卵は102%と急騰。また国内牛の価格が米国に比べ25%低いにも関わらず、消費者の支払う牛肉の価格は米国の2倍と言われている。
小売業協会の代表ケリー氏は、2社の独占的な商品販売は、オーストラリアの消費者に悪影響をもたらしており、将来的にも経済的繁栄を弱体化させていると批判している。
グーグル衛星地図解禁に、プライバシー問題
インターネットの検索エンジンを運営する、米国のグーグルが、年内にオーストラリアでのストリート・ビューのサービスを開始する予定を発表した。ストリート・ビューは、ウェブサイトのGoogle Mapsからインターネット上で検索した住所の風景を生中継で見ることのできるサービス。
この画期的なサービスに対し、プライバシー保護の問題が指摘されている。米国では、昨年このサービスが開始されたが、個人の家や道路標識までが鮮明にサイト上で見られてしまうことで、同社は利用者から訴えられており、オーストラリア・プライバシー財団法人でも、実施前の公的プライバシーへの影響評価を要請している。
国内最古の古代石器、 西オーストラリアで発掘
古代アボリジニが使用していた石器が、西オーストラリアのピルバラ鉱区で発掘された。この石器は3万5000年前のものと見られ、国内では最古の石器と考えられている。
国内では、1960年代にマンゴ湖で4万年前の人骨が発掘されているが、石器の発掘は今回が国内最古のものとなる。
考古学者によれば、石器は先端が鋭く作られていることから、肉や植物を切る為や、植林や他の道具や武器を作る為に使用されていたと推測される。今回の発掘により、気候変動や先住民の生活様式を知る為の、更に重要な情報の解明が期待されている。
一方で、遺跡発掘現場が数十億ドル規模の鉄鉱石鉱山である為、神聖な土地として保護したい先住民と鉱業会社の間で、今後、話し合いが行われる予定。
小児用咳止め薬、店頭販売中止に
9月1日から、小児用咳止め薬の販売に処方箋が義務付けられることが明らかになった。
全豪医薬品・毒物リスト作成委員会によれば、小児の咳止め薬の過剰摂取による副作用として、興奮状態、不眠症、幻覚、過鎮静等があげられており、これには製品に含まれる鎮静性効ヒスタミン剤が影響していると考えられている。また、子供を落ち着かせる為に、親が症状の適応しない時にも薬を摂取させている場合もあると見られている。
実際に英国では、これまでに誤った使用方法で子供が死亡したケースもある。今回挙げられた商品は、DimetappやDemzin等15点で、医療関係者も2歳以下の小児への薬の使用を控えるべきだと話している。
国内空港、2020年までに利益2倍に上昇
国内主要空港は、将来の航空業の需要の増加を見込み、100億ドルの資本投資を計画している。この計画により、2020年までに現在の約2倍に当たる800億ドルの利益が予測されている。国内8つの主要空港が1990年代後半から2000年にかけて民営化されて以来、運営収益は42%上昇しており、効率性、投資水準等が改善された。観光業界関係者は、乗り入れ航空会社の増加等、今後の動きを期待している。
強風で各地被害受ける
熱帯低気圧「パンチョ」による、4月2日の強風は、州各地に大きな被害をもたらした。最高時速130キロメートルを記録した今回の強風により、2名が死亡、42万世帯が停電となり、うち約1000世帯は停電の復旧に1週間ほどかかった。
また停電の影響で、コネックスでは、ほぼ全路線が一時キャンセルになった為、帰宅途中の通勤客が足止めとなり、市内の駅等が混乱状態に陥った。
動物園のテーマパーク計画に賛否両論
ゴールドコーストのシーワールド等のテーマパークを経営しているエンターテインメント産業の大企業、ビレッジ・ロードショウが、2億2000万ドルを出資して、ワラビー・オープンレンジ動物園を大型テーマパーク化する計画を発表した。
ビレッジ・ロードショウ関係者は、計画が実現すれば、フロリダのディズニーズ・アニマル・キングダムに匹敵するテーマパークになると考えている。また、年間の来園者数は現在より100万人増加、従業員数は6700人となると予定しており、ビクトリア州にとっても、大きな経済効果が見込まれると話している。

これに対し、動物園運営者やZoos Victoriaは、園の野生動物の環境保全が危険にさらされる恐れがあると、この計画に反対している。
一方で、ビレッジの動物学者、ロング氏は、「現在のローラーコースター等のアトラクションは、騒音レベルが低くなっており、ゴールドコーストのシーワールドでも実験済み。また、あくまでも野生環境を保護した状態での計画である」と話している。具体的な実施のめどは立っていない。
州で放送禁止のTVドラマ、海外で解禁
メルボルンの犯罪組織を題材にしたTVドラマ「Underbelly」が、ヨーロッパ、アジア、アフリカ等9ヶ国で解禁になることが、9ネットワークにより公表された。 Underbellyは、10年間にわたるメルボルンの犯罪組織の派閥争いによる殺人事件等を題材にしている為、裁判所の命令により、ビクトリア州での放送が禁止になっている。他州で放送された第1話では、過去最高の視聴率を記録している。
コネックス、新チケットシステムに実施遅れ
数年前に導入が開始される予定だった、コネックスの、新チケットシステム「Myki スマートカードシステム」だが、計画実施に当たり、すでに予算超過になっていることや、この計画の中心となってきたニール・シニア・プロジェクトマネジャーの退職により、更なる実施の遅れが予想されている。
新システムの導入は早くて2010年と考えられているが、具体的な実施のめどは立っていない。 ちなみにNSW州でも8年以上をかけ、同システムを計画していたが、導入には至らなかった。
州警察労働組合が、ストライキの行進
4月8日、論争の渦中にある、ポール・マレイ警察労働組合秘書官率いる、約2000人の警察がストライキを起こした。
これは、クリスティン・ニクソン長官とボブ・キャメロン警察庁長官に対し、財源難への対策、警察規定の強化の要求、また両氏の辞職を要求する目的だった。 この規制強化内容の一つとして、犯罪経歴を持つ友人や家族のいる警察官が、その情報を公開しなくてはならないことを挙げている。
一方で、このストライキは、昨年11月に州警察内の汚職問題で、ニクソン長官に退任の圧力をかけられていたマレイ氏の、州警察での地位を維持する為の手段であったとも、ささやかれている。今回のストライキで、マレイ氏はブランビー州知事に対しても、圧力をかける発言をしている。
