新年度政府予算確定
5月に2008年度の国の予算が発表され、71億ドルの政府予算の大幅削減をすることが明らかになった。 これは今後続くと予想されるインフレや上昇し続けている金利に歯止めをかける為の施策と考えられ、今回の予算削減により、217億ドルの黒字を生み出す結果となった。
またラッド首相が昨年の選挙戦で掲げていた公約通りの減税対策が盛り込まれ、所得税減税、育児・児童教育費補助、住宅購入支援等に550億ドルの予算を計上している。
今回の減税対策は、主に勤労者世帯に配慮したものとなっている一方で、年収15万ドル以上の家庭に対しては、児童手当(Baby bonus)、専業主婦が受けていたFamily Tax Benefit Part B等が給付対象から外され、更には高級車に対しての税金を上げる等、富裕層にとっては不満の多い予算組みとなった。
インフレ、2010年まで続く見通し
現在金利の上昇は保留になっているが、インフレはしばらく続くと考えられている。
5月9日に発表された、オーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策によると、過去16年間に急速に上昇し続けてきたインフレ率は年末に向かって緩和されると予測しているが、今後4・25%まで上昇し、この上昇は、2010まで目標水準の2~3%に下がらないと予測されている。
ある経済学者は、「RBAによる減税や生活用品の価格上昇は、国民所得や消費額を上昇させるので、近年の金利上昇の影響を弱めると考えているが、結局のところ、現在国内需要の成長率は平行線をたどっており、結果、長期的にインフレ率を下げる形になっている」、と話している。
低所得家庭に対し、メディケアの付加税免除
新年度予算確定に伴い、ウェイン・スワン財務大臣は、低・中間所得の家庭に対し、1%のメディケア付加税を免除することを発表した。
この新制度は、7月1日から実施予定で、民間の健康保険への加入が経済的に困難な年収15万ドル以下の家庭や、30歳以下の若者、更には身障者を持つ家庭も適応され、年間に最高1500ドルまで免除される。
今回の実施は、1997年に国民健康保険の付加税が導入されて以来初の試みであり、国民の100万人以上が免除の対象になると考えられている。
アルコール増税政策に、酒造業者異論
近年の「Binge Drinking」と呼ばれる若者のアルコール飲酒問題が深刻化される中、政府は若者に人気の「アルコポップ」と呼称される、プレミックスアルコールの大幅増税を実施。今回の増税は70%と、プレミックス以外のアルコールと同様にした。
今回の増税で、アルコポップの価格が上昇する為、その消費額は約4200万ドル下がると予測されている。
これに対し、今回の突然の増税に疑問を持つ酒造業者は、「今回の増税は単に政府の一般歳入を増加させる為の煙幕に過ぎず、国内のアルコール問題対策に還元しないのではないか。また、もし本当に政府が飲酒問題に取り組もうと思っているのであれば、アルコポップだけではなく、全てのアルコール飲料を増税すべきである」と話している。
政府予算改定で、ソーラー業界に黒い影
一般家庭が、ソーラーパネルを設置する際に受けられていた、政府からの助成金制度が5月13日から変更されたことで、ソーラー業界は大打撃を受けている。
年収10万ドル以上の家庭は、今後上限8000ドルの助成金が受けられなくなる。 これにより、都心のソーラーパネル製造販売各社は平均60%の注文がキャンセルになり、大きな損失を出す結果となった。また、環境問題にも大きな影響が出ると考えられている。
同性結婚、法的に認められるか
同性愛者の法的な結婚の容認計画に対し、オーストラリアン・キャピタル・テリトリー(ACT)自治政府と連邦政府の間で、新たな論争が浮上している。
連邦政府は、同性愛カップルに対し、差別をしている約100の連邦法を削除する計画を早めることに同意したが、同性愛カップルの婚姻登録の制度は支援しているものの、公的な結婚式に関しては、今のところ反対をしている。
これに対し、コーベルACT法務長官は、「一部の差別連邦法を削除するだけでは不十分、全般的に削除すべきだ」と反論。長年続いているこの論争は、連邦政府間とACT自治政府間で、未だに平行線をたどっている。
アボリジニ児童に対し、性的虐待の増加
南オーストラリアの内陸に位置する、アボリジニ居住地区で、アボリジニの児童(特に女児)に対する性的虐待が増加していることが明らかになった。
これまでにも強姦、性的虐待による10代の妊娠、及び性病の増加が報告されており、中には、アルコールやドラッグ、石油等を入手する為に家族に強要されて売春をしているケースも見られる。
アボリジニ居住地区には、現在141人の児童がおり、内10人に一人が性的虐待を受けている。この現状に対し、南オーストラリア州政府は、警察の増員や夜間のパトロールを実施することを発表。
今回の報告書を南オーストラリア州政府に提示した前最高裁判官のムリガン氏は、これまで問題視されていたにもかかわらず、連邦政府や州政府が本件に対し黙認していたことを批判し、早急な対応を訴えている。
エコ自動車生産に対し、政府に支援要請
連邦政府が、主要自動車メーカーのトヨタ、フォード、ホールデン等に対し、環境にやさしいグリーンカーの製造の研究支援に5億ドルの出資を提示したが、これに対し、自動車メーカー側は、出資額を上げるよう、経済的協力を求めた。
現在政府は、トヨタの新ハイブリッド車、カムリの生産をメルボルン工場で行なう際の支援を検討しているが、これに対抗しフォード社が、2年内に国内初のハイブリッド車を生産する計画をしていることを公表。
フォード社は昨年、過去17年間で最低の8700万ドルの損失を出している中、今後主要商品となっていく新ハイブリッド車の製造に更なる政府からの出資を期待している。
海水浴中男性、サメを殴り命拾い
5月10日、西豪南部のアルバニーのミドルトン・ビーチの80メートル沖でジェイソン・カール氏(37)が海水浴をしていたところ、全長4メートルのホワイトポインターという種類のサメに襲われた。
カール氏は、始め黒い影が近づいてきたので、イルカと思っていたが、襲われる直前にサメと気づいた。そのサメはカール氏の左足をつかみ、海中へ引きずり込もうとしたが、カール氏がとっさにサメの目を殴った為、サメは逃げていった。

カール氏は岸に向かって自力で泳いだが、途中で地元サーフクラブのジョアン・ルーカスさんにより救出、その後アルバニー病院で左足の切り傷の治療を受けた。カール氏は「サメが戻ってこなかったので、命拾いをした」と話した。同日、カール氏の他2名が、同ビーチでサメに遭遇している。
政府補助金出さず、カンガルー大量処分
キャンベラの防衛軍敷地内の自然保護の為、約400匹のカンガルーが請負業者により5月下旬に処分された。 これに反対する動物愛護団体等の抗議者が、次々と逮捕された。
2008年度州予算発表
ビクトリア州政府は、今年の州予算を発表した。
1971年以来のベビーブームを考慮に入れ、産婦人科の病室数の増加や、児童の無料健康診断、保育園や公立学校の改装や施設の充実等、主に「家庭にやさしい政策」としての予算組みを発表した。
中でも、1年以上交渉が続いていた教師の給与は、最高年収が1万ドルも昇給になり、全州の中で最低から最高給与になった。その他、7億5000万ドルをかけて、公共交通機関や道路の充実化、ファースト・ホームバイヤーに対して、購入時の印紙税の減税等も挙げられた。
タクシー運転手、長時間のストライキ
4月30日、タクシー運転手達が州政府に対し、給与上昇や安全な労働条件を求め、ストライキを起こした。
当日は、約500人のタクシー運転手達が、市内で最も交通量の多いフリンダース駅とスワンストン通りの交差点を22時間にわたり封鎖し、不満を訴えた。
今回のストライキは、4月29日にタクシー運転手、ジャルビンダール・シン氏(23)がクリフトンヒルで、乗車客にナイフで刺された事件が火種となった。シン氏はその後病院で治療を受け、命に別状はなかったものの、一時は重症だった。
今回のストライキ参加者の多くはインド系で、平均時給8ドルと低賃金なうえに12時間シフトの過酷な労働条件、更には、日頃の警察から受ける不当な差別に対する不満等を訴えた。

これらの訴えに対し、州政府は、各タクシーが犯罪防止に安全スクリーンを導入する際、50%の費用負担をすることを公表。
また、乗り逃げ防止に、深夜10時から早朝5時の間のタクシー利用者に対し、料金の前払いのシステムを数ヶ月以内に実施することを予定している。
開通予定のイーストリンクに、利用者不満の声
メルボルン東部ミッチャムと南部フランクストンを結ぶ、イーストリンク幹線道路が6月29日に開通する。
この新道路は開通から4週間のみ無料で、それ以降は1回の利用で5ドルと有料になる為、利用者からは不満の声が上がっている。
これに対し、イーストリンクの運営会社、コネクトイーストの関係者は、「今回の道路開通により、渋滞の緩和や大幅な通勤時間の短縮が見込まれており、道路の有料化は意味のあるもの」と話している。
一方で、新有料道路開通により、スプリングベールやブラックバーン道路等、いくつかの道路の渋滞は緩和されるものの、イースタンフリーウェイの交通渋滞量は、約10%増加すると予測されている。
弁護士銃殺事件の犯人、罪を認める
弁護士であり、3児の父であるブレンダン・ケイラー氏(43)が、昨年6月18日メルボルン市内の路上で暴力を受けている女性を助けようとし、銃殺されたが、この事件の容疑で逮捕されていたクリストファー・ハドソン容疑者が、5月に容疑を認めた。
ハドソン容疑者は、過去6年間で暴力や武器保有の為、60回以上にわたる有罪判決を受けているが、今回の事件で終身刑の判決を受ける可能性があると言われている。
トニー・モクベル容疑者、ギリシャから帰国
2006年3月以来、麻薬犯罪や4年前に2人を殺害した容疑で、国際指名手配になっていた、トニー・モクベル容疑者(42)が、5月17日逃亡先ギリシャから本国へ身柄を送還された。
モクベル容疑者は、今後バーウォン刑務所の独房に1日23時間監禁される。独房は、広さ8平方メートルで、シャワーとトイレと電気ポットが設備されているのみである。
