絵本で疑似体験 - 子育てちょこっとヒント集 - Dengon Net

絵本で疑似体験

2007-02-28

本は、自分の体験をもとに創造力を働かせ、主人公に感情移入したり、実際にはない世界を疑似体験することができます。とくに寝る前の読み聞かせは、親と一緒の時間が過ごせるし、気持ちが落ち着くよさもあります。親も積極的に一緒に楽しみたいものです。

うちには、5歳になる娘がいます。毎晩寝るときにベッドで本を読むのですが、この頃ずいぶん物語の内容を理解するようになったので、先日「みにくいあひるの子」を読みました。

この物語では、あひるのお母さんが温めていた卵がかえり、黄色いひよこの赤ちゃん達が生まれてくるのですが、その中で1羽だけ、灰色の大きくて不恰好なひよこが生まれます。みにくいあひるの子は、どこへ行っても「かっこ悪い」「不恰好だ」「あっちへ行け」とみんなに嫌がられ、泣きながらお母さんと別れて、一人ぼっちの旅に出ます。

物語をそこまで読んだとき娘は涙を流して泣き始めました。「どうして、この子はみんなに嫌われるの~?」と言ってわんわん泣き始め、翌朝は目が腫れるほどでした。

それからは、本を自分で持ってきて絵をみながら、「かわいそう…」と言って泣き続けるので、ちょっとショックを与えすぎたのかな? と心配になったりしました。

ですが、これはいいチャンスかもしれないと思って、娘にいろいろ質問してみました。「もし、あなたのクラスに、みんなと目や髪や肌の色が違うお友達がいて、こんなふうにいじめられるとしたら、どう思う?」「耳が聞こえない人や、目の見えない人がいたら、『みんなと違うから』という理由で仲間に入れてあげないのは、どうかな?」と。娘は泣きながら「よくない…」と言っていました。

絵本を読むことによって、子どもは自分がいじめにあったような疑似体験をし、どんなことをしたら人は悲しむのか、どんなことをしたらうれしいのかを経験できるのだということを私自身が身を持って感じた瞬間でした。

日本では今、いじめの問題が多発しています。人の悲しみがわかる人間になるには、自分が悲しい体験をしなければ理解できません。いろんな物語をとおして、子どもたちが人に優しくなってくれたら…と願っています。