自分が子どもの頃、みんなで楽しく過ごしたこと、がんばったことは、よく覚えているものです。 一緒に過ごしてきた人達との思い出は、懐かしいだけでなく、次へのステップや自信につながっていくでしょう。子ども達にもたくさんの経験や思い出を作ってあげたいですね。
私事ですが、今年の4月から私の家族は10ヶ月間を日本で過ごすことになりました。私達夫婦は、娘が生まれたときから、「日本の幼稚園へ通わせたい」という思いがありました。今年は娘が年長組になり、その最後のチャンスなのです。
そこで、私の主宰している「にこにこ教室」は、私のいない間、ほかの先生達に任せることにしました。先生達に、私の教室への思い、幼児教育者として大切なことをいろいろな角度から話すうち、私自身、改めて、初めて教師になった日から今までを思い返しています。教師としての私を育ててくれたのは、これまで関わってきた子ども達、保護者の方々、先輩の先生方でした。
教室では毎回、その日の目標に沿って保育をします。でも、子ども達は大きくなったら、きっと1回1回の保育の内容など覚えていないでしょう。けれど、「先生が私を見て笑ってくれたな」とか、「先生が私のこと大好きって言ってくれた」とか、「教室でお友達と一緒に踊って楽しかったな」という温かい思い出が、何にもかえがたい大切なものだと思うのです。
去年、教室へ1年間通っていて、日本へ帰った子どもがいました。その子のお母さんが最後にくださった手紙に「『にこにこ教室』は私達家族にとって、メルボルンでの一番の思い出でした」と書いてくださいました。そうだ、これが、この教室の本当の意味なんだと、そのお母さんに教えてもらった気がしました。
今回、教室を離れ、日本へ帰ることには自分自身辛い葛藤がありました。でも、一区切りをつけることで、教室の本当の意味を感じることができました。この10ヶ月、日本でもっと幼児教育について勉強し、パワーアップして子ども達のところに戻って来ます。
来月号からは、日本から現在の幼稚園を間近で見たお話をお届けします!
