先月は「愛情は子どもを変える」というテーマで書かせていただきましたが、今月は保護者について。私が日本で幼稚園の教員をして5年目のこと。4月に各家庭に家庭訪問に回りました。
Sくんのお宅にお邪魔したとき、お母さんは私に質問することを箇条書きにしてメモを持ってお話ししてくれました。ただ、何となく「家の子をこの先生は本当にちゃんと見てくれているのだろうか?」という疑いの色を目に感じました。「年少組のときの○○先生はSのことをよく理解してくれていたんです」ともおっしゃいました。
それから、そのお母さんのことはとても気になりました。私はそのお母さんに私を信用してもらうにはどうしたらいいか真剣に考えました。Sくんが私を好きになってくれれば、お母さんもきっと安心してくれるのではないかと思い、「一生懸命かわいがろう」「一生懸命接しよう」と思いました。
それから2年の時が過ぎ、Sくんが卒園する春がやってきました。ある日Sくんのお母さんが来園し、「先生にお話が…」とおっしゃるのです。「Sはいつも『先生はぼくらが運動会とかでがんばったら泣くねんで。だから先生が泣いた時は、ぼくらががんばったってことやねん』と言ってたんですよ。私もSも先生に出会えて良かったと思っています」とおっしゃってくださいました。
その人を大切にする気持ちは必ず伝わる。そして、子どもが変われば、お母さんも変わる。保護者と教師が信頼し合うことは本当に大切なことだと実感した出来事でした。
これからも、子どもたち、保護者の方を大切にする教師でありたいし、また大切に思ってもらえる人間になれるように努力していきたいと思っています。
