本当につながってますか?(下) - パソコンVETの診療カルテ - Dengon Net

本当につながってますか?(下)

2006-05-06

ADSLにはなぜフィルターが必要か?

ADSLは、既存の電話線を通してインターネットに接続します。しかも、通常の通話やFAXよりずっと高い周波数帯を使います。簡単にいえば、電話線に音声とADSLという二つのチャンネルがあるわけで、おかげで、電話とインターネットが同時に使えるのです。そして、高周波数の広帯域(=ブロードバンド)を確保して、従来のダイアルアップよりも高速な通信ができるのです。道幅が従来より広い、高速道路が用意されたと思ってください。

スピードは速いのですが、実は欠点があります。ADSL信号は音声信号より減衰しやすいのです。必然的に電話回線に求められる条件がシビアになり、ちょっとでも条件が悪いと通じなくなります。前回、電話接続口(壁からでているコネクタ)とモデムを結ぶ電話線はなるべく短くした方がいいと書いたのはそのためです。そして、同じ線が分岐して、ADSLモデム以外の電話機器がつながっている状態もよくありません。でも、それではインターネットと電話を同時利用できません。そこでどうするかというと、電話口からコードを二股で分けてから、通常の電話機やFAX機につなぐ方にフィルターをつけます。このフィルターはローパスフィルターといい、高周波数の信号は通しません。結果的にADSL信号はコンピューターだけに流れるわけです。以上がADSLにフィルターが必要な理由です。フィルターは必要ですが、ADSLでない方に付けることに注意してください。

次に、同じ回線の接続口が建物の複数箇所についている場合を考えます。それぞれ電話機やFAXをつなげば、どこでも使えるわけです。この場合、接続口それぞれにフィルターを付ける必要があります。ただ、もし何もつながっていないなら、その接続口にはフィルターは不要です。また、何箇所もあったとしても、フィルターは2個を超えないことが原則です。2個を超えるなら、電話線の大元にセントラルフィルターをつけ、そこからADSL用の線を分岐させる方法を推奨します。ただし、セントラルフィルターは業者に工事を依頼して付けてもらうことになります。

セキュリティシステムも電話機器です!

大変前置きが長くなりました。さて、S.T.さんの場合です。どうしてモデムのLINKランプが点滅のままなのか? まずはNetspaceのヘルプデスクに電話で相談。一応手続き上、ああしろ、こうしろと、すでに私がやったことを含めて、いろいろ試させられました。最終的に、モデムを短いケーブルでつなぎ、それ以外のすべての電話機器を外して試しましたが、それでもだめ。これはいよいよ電話回線そのものが怪しいということになりました。

そのとき一つ思い出したことがあります。加入申込みのとき、「セキュリティーシステムを契約していませんか?」と尋ねたところ、S.T.さんは、「ああ、それなら、前のオーナーがやってたらしいけど、今はもう契約してないよ。第一そんな機械どこにも見当たらない」とのことで、そのときは、それなら大丈夫だろうということになったのです。

セキュリティー会社にモニターしてもらうようなシステムの場合、システムのオンオフから、センサーによる侵入者感知まで、すべてセキュリティーセンターでモニターしますが、この通信には電話回線を使います。ということは、これも電話機器の一つなのです。つまり、ここにもフィルター(場合によってはセントラルフィルター)が必要になります。

ヘルプデスクの人にこのことを伝えると、「ビンゴだ! 多分どこかにまだセキュリティーシステムがあるはずだよ。探してみてくれ」と言われ、探してみたらありました! 勝手口から少し離れたところに得体の知れないボックスが! ふたを開けたら、なにやら電話回線につながっている感じの電気回路があります。これだ!

結局後日、Telstraのテクニシャンに来てもらい、セキュリティシステムを外して一件落着です。でも実際には彼らは建物の中に入っての工事はしなかったそうです。どうやって直したのかな? あるいは別のところに原因があったのかもしれません。