
こんにちは、セシリアです。日本には「風呂敷」という包む文化があります。それは何度も使え、小さくたためる「知恵の結晶」のように思っています。今回はそんな、無駄をなくして心地よく暮らすお話。
包装紙をセーブする
私が東京に住んでいたとき、デパートやスーパーマーケットで袋を断るのは私の趣味でした。ある年の誕生日に素敵な「引き算」の思い出があります。当時妹が私に会いに来て1ヶ月滞在していました。私の誕生日なのでプレゼントにと、一緒に素敵なケトルを探しに銀座に行きました。そこでやっとかわいい花模様のついたケトルを見つけました。お店の人が包装して袋に入れようとしたとき、私達は「箱も紙袋も結構です。そのまま持って帰ります」と断りました。店員さんはケトルを箱に入れ、包装して手のついた紙袋に入れようとしていたのでビックリ! とても心配そうにしていましたが、私達は「どこ吹く風」でケトルを持って帰りました。
それからの1週間、私達はケトルに電車の切符と口紅を入れ、ハンドバック替わりにして都内を歩き周り回りました。そのことは周囲の人々を驚かせました。「素敵なヤカンですね」と言ってくれた人もいました。それまで出歩くときはバッグを使うのが当然だと思っていた人達の中には、決まりきったことをしなくていいと気づいた人もいると思います。
ケトルは現在本業から退職して、ジョウロとして私のバルコニーで活躍しています。それは長くて大胆な人生を過ごしてきたケトルです。
日本の本屋さんでは、本に立派なツヤツヤの紙のカバーや帯がついているのにもかかわらず、お店のカバーをかけます。「なぜ?」と思いました。もともと本についているカバーごと外したらどうでしょう。本屋さんのカバーの紙も無駄にならないし、かさばらないので読みやすくなると思います。カバーが好きな人は、読み終わってからカバーをかけ直すといいでしょう。これはケトルの包装を外したことから得たアイデアです。
本来、本は消費されボロボロになるべきもの。多くの人に使われたほうが、その本はいい「人生」を過ごしたことになります。本を読みおわったあと裏表紙に名前とEmailアドレスを書き、空港やバス停で誰か次に読む人に渡し、名前が50人になったら発表する運動もあるくらいです。
日本では過剰包装が問題になっています。包装に使う紙は、オーストラリアが輸出した木も原料になっています。つまりコアラの家。ホームレスになったコアラを想像すると、私自身も紙を使いすぎないようにすることができます。
散らかっていない家
家をきれいにしたいとき、きれいなものを買ってきて飾ることはできますが、むしろ家のデザインに合わないものやいらないものを整理し、捨ててしまう方が家を広々とさせ、美しく感じられます。
たとえば、私は物を買ったとき宣伝文句の書かれたけばけばしい商品ラベルをはがします。面倒くさいことかもしれないけれど、収納棚の扉を開けたときにそれらが並んだのを見て、きれいなイラストを見ているような気持ちになれるので続けています。色のバランスがとれていたり、形が面白かったりするとアートな気分や落ち着いた気持ちになれるでしょう。
気に入った瓶をとっておくといいですよ。好きではないデザインのものがあったときなどに入れ替えができます。油絵のアーティストになれなくても、あなたを取り囲んでいる容器、瓶やタオルのアーティストには誰でもなれるのです。鉛筆や絵の具は必要ありません。アートは日常生活からかけ離れたものではないと思います。
日本にいたときもう一つ学んだことがあります。それは、入浴後ハンドタオルで体をふくこと。大きなバスタオルではなく、小さなハンドタオルで事足りるのです。このことはバスルームのスペースを節約し、洗濯をするとき、干すとき、しまっておくときにも少ない労働力ですみます。
今使っているものが、そんなにたくさん必要なのか、大きくなくてもいいのではないか、点検してみましょう。歯磨き粉だって、テレビのCMのように歯ブラシ全体にのせず、先に少しのせる程度でいいのです。つけすぎるとアブクばかりになって磨きにくいでしょう。
私達は毎日使うところにお金を使わず、年に1回しか着ないパーティドレスにお金を使ってしまいがちです。生活の中では地味なこと、たとえば、ゴミ箱、ランドリーの棚などをきれいにし、魅力的にデザインしてみましょう。そうして、地味なことに労力を使うことは、自分を大切にすることにつながります。
素敵な暗闇
子どものころの停電の思い出は、それはそれは楽しいものです。7人の兄弟と遊び好きの母親と一緒に、暗闇の中で歌を歌ったり、物語を聞かせてもらったり、「探偵ごっこ」で追いかけっこしたりしました。夜テレビを見て楽しかった思い出は一つもありません。
日本では、今年6月21日が夏至です。私はあなたを午後8時から10時まで、世界に広がる暗黒の闇にお誘いします。この「100万人のキャンドルナイト」運動(www.candle-night.org)は、日本で始まった素晴らしい運動です。オーストラリアの友人にも伝えてください。今年は6月17日から21日までの5日間やるようです。地球上の人々が電気を消し、その状態を宇宙から見たと想像するだけでわくわくしますね。地球の自転に合わせて、暗闇が増えていくさまは、きっと波のようだと思います。
電気を消して何人かの人達はキャンドルに火をともすでしょう。暗闇は、忘れていた楽しみ方を思い出させてくれるでしょう。話すことが尽きないかもしれません。ギターを出して覚えている限りすべての歌を歌ったり、闇の中を歩くための服を用意したり、キャンドルの光でお互いをマッサージするかもしれません。
まぶしい光は、たくさん物が溢れて見え、一見豊かな感じがします。でも時には電気を「引き算」し、替わりにろうそくをつけてみませんか。夜テレビをつけないと家族がよく話をするきっかけになります。子ども達は電気を使わない新しい遊びを思いつくでしょう。ろうそくの明かりで見える相手のことを大事に深く味わうことができます。
私達にとって、電気は素晴らしいものだということの再認識にもなるでしょう。でもそれ以上に、家族や自然の中で暮らす大切さ、一緒に時を過ごし、お互いを楽しむ方法を見つけるいいチャンスになると思います。
