
こんにちは、セシリアです。今年は例年以上の水不足でみなさんも節水に気をつけていると思います。ホースのノズルやシャワーヘッド、土からの蒸発を防ぐために撒くマルチなど、今年は節水のためになるものを購入すると、その金額の30%を水道会社が水道代から引いてくれます。利用するといいですね。
雨水を飲み水に変える
飲み水を水道会社に頼らず自給自足している人がいます。彼は私の憧れの人でMichael Mobbsといいます。シドニー市内の真ん中あたりに住んでいて、環境のための弁護士をしています。

そこは交通量が多いのでスモッグも多い場所ですが、彼は120年前の古くて狭い家をリメイクし、雨水を集めて飲み水に変える画期的でシンプルな工夫をしています。詳細がWebサイトにあるので見てください。
グループツアーもあるのでシドニーに行ったとき訪れてみるといいでしょう。水だけではなく、ソーラーパネルもついていて電気も自給自足。環境に優しい家として、今まで数千人の見学者が来ているそうです。
彼は、仕事上、人間の手で破壊された環境の例をいくつも見て、怒りがたまることが多かったそうです。でも、この家を作ってから、自分にできることを実践し始めたので、その怒りが静まったと言っていました。
バックアップが大事
パーマカルチャーのデザイン体系の一つに、「一石三鳥」の考え方があります。それを違う面からいうと「やり遂げたいことがあるときは、3つ以上の方法を準備する」ということがいえると思います。日本語では用意周到というのでしょうか。バックアップを多く用意しておけば、その分、もしものときのサポートになるということです。
Mobbsさんの水のシステムにもいくつものバックアップがあります。左のイラストを見てください。まず、屋根はゴミやサビがつかないような素材でできています。また雨が流れやすい勾配で、雨といも水が流れやすいスムーズな素材。そして、浅く平らなカバーで覆っています。
カバーが浅いので落ち葉などは風に吹かれて飛ばされ、ゴミが溜まりにくいのです。ところどころにメッシュでカバーした穴があり、落ち葉のような大きいゴミは、そのメッシュの部分で取り除かれます。
その後もう一度網を通ってからパイプに流れます。最初の10リットルは屋根やパイプの汚れが流れ込んでくるので、その分はゆっくり1時間かけて庭に流れ落ちるようになっています。10リットルを超えたら、その分の水はろ過器を通って床下のふたのあるタンクに貯められます。
鉛などの汚れがあれば、タンクの中で下に溜まるので、タンクの上の方から水がポンプで汲めるようになっています。
実績を作って説得する

通常雨水は、飲み水には使われていません。とくに都市部に降る雨は、排気ガスで汚れています。また、雨といが汚れていたら、タンクに貯めたときに有機物が入って、ばい菌が繁殖しやすくなり、雨が少ないときはタンクに長く少量の水を貯めることになるので、水質が悪くなりやすいことがあります。だから、自治体は今のところ雨水を飲み水として使用する許可を出していません。
でも彼は「なぜダメなのか」、その理由を考え、問題解決の道を切り開きました。彼は特別の許可をもらうために、ある大学の研究所に、雨水がきれいになっているかどうかを毎日調べてもらいました。
実践した結果は明白でした。市内で使っている水道水より、Mobbsさん宅の水の方が水質はいいという結果が出たのです。この方法を多くの人に知らせ、彼は自治体の許可を取ろうとしています。
年に2回ほど降水量が少なかったときだけ、隣の家に水をもらいに行きました。そういう意味で完璧とはいえませんが、1年間で約10,000リットルの水を自分で作り出しています。

しかも、彼は誰もが真似できるように、ハードウエアショップで売っているものしか使っていません。そして、できるだけメンテナンスが少なくてすむように、単純な作りのものにしています。たとえば、汚水分別管も1年に1回、左の写真のように中のボールを取り出して洗うだけですむような簡単なものです。
彼は家全体のシステムを作るのに、何年かかけて思考錯誤を繰り返し、失敗からも学んできました。今まで無理だとあきらめていたことが、誰かのがんばりで可能になり、みんなで共有できるのはすばらしいことだと思います。
