
グレイウォーターを活用しよう
干ばつがひどく、メルボルンも給水制限のステージ4になる可能性が高くなってきました。政府が出したウェブなどのお知らせには、庭や芝生には水撒き禁止と書いてあります。
もう水遣りはできないの? と思うと悲しくなってしまいますね。蛇口から直接出す水は庭には使えなくなるけれど、一度使ったグレイウォーター(トイレの水以外の排水)は撒くことができます。多くの人が水を撒けないと思っていますが、それは違います。
ただ、庭に撒くのに適したグレイウォーターを作るには、コツがあります。間違って植物によくない水を撒いてしまわないようにしましょう。植物に害のないグレイウォーターを工夫して作り出せば、結構水遣りができます。
グレイウォーターは長く時間を置くと、水質が悪くなる可能性があります。また、一晩置いておくと汚れた部分が下に沈むことを発見しました。だから一晩溜めたら、上澄みのきれいな部分を次の日の朝、庭に撒くといいでしょう。
土は、栄養、空気、健康な微生物の3つがあれば、いい状態に保っておけます。土の状態をよくする健康な微生物のことを理解することが、グレイウォーターを生み出すヒントになると思います。
たとえば、普通のシャンプーした水をそのまま土に流すと、シャンプーに含まれている洗浄剤のせいで、土の中の微生物は死んでしまいます。だからシャンプーの排水は庭には使えません。家では体を洗うのに、自然に戻るオーガニックの石けんを使っているので、このときに溜まった水は使っています。
台所の排水は、洗剤はもちろん、食物についた保存料や着色料、油分が土の微生物によくないと考えています。なので、お皿に残ったソースもパンでさらって食べてしまいましょう。そうして、暖かい水で流せば洗剤を使わずに汚れは落ちるし、排水も庭に使えます。
合成洗剤や保存料や着色料の入ったものを使わない、油分の少ない食物を食べるということは、人間の健康にとっていいことです。しかもそれは「土に優しい」「地球に優しい」ということにつながりますね。
庭に水を撒くときのコツ
2月号でお話したように、現在家の洗濯機はバックヤードの水撒きのために、テラスに出してあります。有機洗剤を使ってシェアメイトとまとめ洗いするので、水の節約にもなっています。また浴槽に溜めた排水は、ホースの水圧を利用して前庭に撒いています。
それから、お風呂の残り湯を洗濯機に移すポンプ付きホースを日本から取り寄せました。これは便利なので、水道局の人に同じようなものが作れないかと話しました。今オーストラリアのハードウエアショップで売っているポンプは100ドル以上するので。
シャワーの排水をバケツに溜めている人は、すでに経験ずみだと思いますが、水がいっぱい入ったバケツはとても重いでしょう。何回も庭とシャワールームを往復すると、嫌になりますね。重いものを持つと腰を悪くすることがあるので、なるべく楽に運ぶ工夫もしたいものです。
今、ウォータータンクをオーダーすると、どのメーカーも生産が間に合わず22週間待ちの状態です。雨水を溜めるのをウォータータンクのかわりに車輪つきのゴミ箱に溜めたらどうでしょう。水を撒きたいところまで、ゴロゴロ転がせばいいので楽チンです。
限りある水を大事にする
ニュージーランドに行ったとき、街中きれいな「レンガの床」だったところを見つけました。何十年もかけて、セカンドハンドのレンガを敷いた街には、アーティスティックな服がある店や、特別なレストランなどが並ぶクリエイティブな街になりました。これは、「人間にとっていいことが地球にとってもいいこと」の例の一つだと思いました。
道にレンガを使うと、レンガの隙間から雨が土に少しずつ流れていきます。今、メルボルンに降る雨の50%が地表面のコンクリートにあたって、そのまま下水道から海に流れ込んでいるそうです。レンガの道のようにゆっくりゆっくり土に水がしみる方法も考えるといいですね。

雨水だけでなく、夏はエアコンから出る排水も使えます。こんな方法もあると聞きました。これからの季節は朝と夜の温度差があるので、夜シートをかけておけば、太陽が昇るときに地表から蒸発する水分をシートで防ぐことができると思います。
ユーカリなどネイティブの木は乾燥に強く、養分がそんなに必要ありません。今からネイティブの木を増やすのも、庭を守ることの一つになるでしょう。
家の中やバルコニーで野菜を育てることも水を節約することになります。家庭で作る野菜のほうが、農場で作って工場で加工するよりも水は少なくて済むからです。
こうして創造力を使い、グレイウォーターをもっと上手に利用して、庭の緑を守り100年前の木を将来に残しておくことが、人間にとっても地球にとってもいいことなのではないでしょうか。
