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涼しく過ごす方法

2006-02-16

こんにちは、セシリアです。素敵なHolmgrenさん宅のWWOOFing(ボランティアファームステイ)から戻ってきばかりです。私が着いた日はとても暑い日で、彼の奥さんがドアを開けて出迎えてくれたとき、オアシスに着いたように感じました。彼はパーマカルチャーを作り出した人の一人で、家にはエアコンを使わずに涼しく過ごせる工夫がたくさんありました。みなさんもできるところからやってみてはどうでしょう。

現代の建築とエアコン 

私の東京での最初のアパートは古かったけれど、なかなかよい住み心地でした。大きな窓は北向きで、西側と東側に大きな柿の木があり、2階の私の部屋を夏は日陰を作って涼しく、冬は葉を落として暖かい日差しを入れてくれました。夏の暑い日にはお風呂に水を張って涼むこともできました。

その数年後東京のWestern-Styleの新しいアパートに入居しました。夏になるまでは快適に過ごしていましたが、夏はエアコンなしではいられないような環境でした。私はエアコンのついた部屋から地球温暖化の解決方法を考える会議に行くことはできないと思いました。

暑い日差しが入るのに、なぜここに窓があるの? ひさしがないのはなぜ? 断熱効果が弱い! 日陰を作るところがない、としばらく日本の最新の建築に失望しました。 

でも私はパーマカルチャーを実践する人だから、非難をしているだけではいけないと思い、ブラインドを取り付けてもらえないか大家さんに頼みました。が、敷地の外にはみ出るものはダメだといわれました。そこで夏の間だけ吸盤でタオル掛けのようなものを作り、大きな布を窓の外に掛けました。自慢のブラインドでした。他の窓には植木鉢を下げて日陰を作りました。また友人からソーラーパネルをもらい、バッテリーにつなげて扇風機を動かしました。

それでもとても暑い日には、エアコンを使わざるをえませんでした。私は聖人ではないから…。

エアコンができてからというもの、暑いからエアコンをつける、エアコンをつけるから外が暑くなる、という悪循環に陥っているように思います。この20年間、日本以外の国でもエアコンに頼りすぎて、建築の問題に関心がいかなかったのではないでしょうか。

オーストラリアの昔からの家では、暑くなりそうな日は窓を閉めきりブラインドを下ろし、日差しや熱風が家の中に入らないようにします。レンガの家は断熱効果が高いので、外気温が高くなっても、日差しや外の熱い空気を入れなければ涼しく過ごすことができるからです。   でも最近の家はどうでしょう。軒のない四角い家やブラインドのついていない家を多く見かけます。そういった家は結局エアコンを設置して毎年余分に電気代を払い、限りあるエネルギーを使ってしまっているのです。

涼しい低コストの家

Holmgrenさんの家は、窓の向きを考えて建てられています。農家やアボリジニ以外で太陽がどこから昇ってどう動いて沈むか、ということを把握している人は少ないと思います。オーストラリアでは太陽の軌道は夏に真上を通り、冬は低い位置を通ります。夏涼しく冬暖かい家にしたい場合、Holmgrenさんの家のように北側の窓を多くして、南側に窓を作りません。西日が入る場所は、窓を極力小さくします。   またHolmgrenさんの家では、地元の土でできたレンガを使っています。このレンガはとても重く、断熱効果があり、暑さ寒さを吸収して少しずつ放射してくれるので、室内は一定の温度を保つことができます。次の暑さがいつくるかわからないので、Louver(よろい窓)というブラインドのような窓を開け、風で室内の暑さを流し、レンガでその涼しさを吸収しておきます。そうすると朝起きると夏でもセーターを羽織るくらい涼しいのです。

食べ物は毎日庭から収穫できCool Cabinetがあるので、右下の写真(手前)にあるように、小さい冷蔵庫を使っています。Cool Cabinetは見た目は普通の戸棚ですが、床下に水道管が通っていて、通気孔から涼しい空気が入り常に14℃ぐらいに保たれています。虫が入ってこないようにメッシュも張ってあります。煙突のようなものもついているので、暑い空気が自然に上り、外へ出て行きます。たんぱく質の食物以外はたいていここに保管ができます。   作るときによく考えられた家は、住み続けるのに快適でコストも低く抑えられるのです。

パーマカルチャーで涼しく過ごす

パーマカルチャーの目的はデザインをよく考え、庭であれば薬や肥料の必要がないようにし、家であればエネルギーがかからなくてすむように工夫します。家を建て直すのは無理でも、パーマカルチャーの考え方を利用して涼しくなる方法があります。

私のバルコニーでは、パッションフルーツの蔓がブラインドの役目をしています。夏の暑い日差しは少ししか部屋に入ってきません。パッションフルーツの蔓は、日陰を作るだけでなく、果物を作り、プライバシーを守ってくれます。また風が吹くときは、車の排気物や砂埃からも、空気をきれいにして私を守ってくれます。  日当たりがいいところには蔓のある植物、ふじ、パッションフルーツ、ぶどうなどを植えるといいでしょう。ぶどうは冬になると葉が落ちて日差しが入るようになります。まさに生きているブラインドといってもいいでしょう。

たとえば冷蔵庫がなかった時代の工夫で今でも使える方法があります。野菜や果物などをメッシュの箱に入れて濡らした布をかけておきます。こうしておくと、布に含まれた水が蒸発するときに、箱の中が涼しくなります。これをCoolgardie safeといいます。本当に冷蔵が必要な肉や魚、乳製品などは、小さめの冷蔵庫に入れるといいでしょう。乾燥しているオーストラリアではピッタリの方法です。

冷蔵庫はヒーターのようなものです。中の物を冷やすために、電気を使って熱を放出します。家庭で使う電気の約20%は冷蔵庫で消費しています。冷蔵庫は大きければ大きいほど熱を多く出すので周囲の気温はあがります。インドでは冷蔵庫は外壁に向けて置いてあるほどです。通気性のいい場所に置くと効率が30%上がるといわれています。だから、Holmgrenさんの家の例でもわかるように、必要以上に大きい冷蔵庫を使うのはやめ、冷蔵庫のドアを開ける回数も少なくすることを考えるといいでしょう。   また、冷蔵庫とオーブンは離しておくべきです。そして夏の暑い日には、オーブン料理をしないで、サラダや冷たい麺などを食べましょう。   エネルギー代が高くなる将来に備え、このような工夫を社会全体で考えなくてはいけないと思います。

暮らし方を変えてみよう    とはいえ、夏は暑いべきです。1年のうち暑くなる時期があるからこそ、プールや海に行って楽しく過ごせます。エアコンなどを作り出す人間は、ある意味では力で自然をコントロールすることができます。でも季節の変化を感じ、自然の力を味わうことも必要です。

夏にすいかを食べて、美味しくビールを飲むのも人生の楽しみの一つでしょう。

私には子どものころの素敵な「暑い」思い出がいっぱいあります。七人兄弟でマットレスを7枚ベランダに引っ張り出し、星を見ながら眠くなるまで怖い話をしました。家の中で寝るよりも涼しかったけれど、ポッサムを見つけて面白くなり、なかなか寝ることができなかったけれど…。

昼間庭に出て、暑いなあとブツブツ文句を言っていると、突然2階の窓からお母さんがバケツの水をかけてきます。お母さんは「私じゃないよ」としらんぷりしますが、それをキッカケに水のかけ合いが始まり、みんなビショビショ。おまけに風船に水を入れて作る風船爆弾を投げ合って走り回りました。何より楽しいのは、雷の鳴る嵐の日。お母さんは「雷だ! 外へ行こう!」と涼しさを運んでくる嵐の中を踊ったり騒いだりして楽しみました。日本のお母さんとはだいぶ違うかも(笑)。   エアコンに使う電気代をキャンプに行くお金にして、涼しい夜を屋外で過ごすほうが価値はあると思います。

ヨーロッパ人は、暑いときは昼休みに家に帰って食事をし、昼寝をします。オーストラリアでは、夏休みがとても長いですね。   技術でエネルギー問題を解決するだけでなく、社会全体で暮らし方を変えることで、エネルギー問題を解決することができるのではないでしょうか。