
こんにちは、セシリアです。最近”土”の素晴らしさを味わいました。腐った植物、水分、空気を含んだ健康な土には、多くの種類の微生物が住んでいます。いい土を作って植物を健康に育てませんか?
たかが土、されど土
今、お母さんの家で、パーマカルチャーの庭を作っています。彼女の庭の土は、陶器を作るような粘土質で、以前木を植えた時なかなか大きくなりませんでした。3~5年してやっと大きくなり始めました。
私のバルコニーに植えている大好きな木をお母さんの庭にも植えたかったけれど、土に問題があると思ってためらっていました。案の定、土を掘ってみたら硬くて植物の根にはあまりよくないことがわかりました。そこで、深く掘って動物の堆肥を混ぜ、マルチをたくさんかけて植えてみました。水もたくさんあげました。
その1週間後「土のセミナー」に参加しました。アメリカの土の専門家が講師として来ていました。お母さんの庭の土のサンプルを採ってきて顕微鏡で見てもらうチャンスでもありました。
その土には、いいバクテリアがいっぱいいました。けれども、きのこ類に多い真菌が1匹しかいませんでした。先生はそのスライドを見ただけで、「お母さんの庭には、雑草しか生えていないね」と、ピタリと言い当てました。これにはビックリ!
一杯のティースプーンの土の中には、何億ものバクテリア、真菌、微生物が入っているのです。土のサンプルを顕微鏡で見るのは、海に潜るような経験でした。土の中の生き物は、人間のように賄賂を払ったり、貰ったり、戦争をしたり、TVドラマになるほど面白い世界なのだとわかりました。
土中の微生物の役割
たとえば、ネマトーダという線虫類は、植物の根を食べてしまう悪い虫だと思っていました。農家は毎年ネマトーダを殺すため値段の高い薬を使っています。でも、ネマトーダには悪いネマトーダだけでなく落ち葉だけ食べるものや他の微生物を食べるもの、悪いネマトーダを食べる良いネマトーダもいることがわかりました。
ここで気づくのは、落ち葉だけ食べるネマトーダの敵は、根を食べてしまって落ち葉を作れなくするネマトーダということ。そして、薬を使うと良いネマトーダまで死んでしまうのです。皮肉なことに、悪いネマトーダは回復力が強く、良いネマトーダは回復するのにとても時間がかかります。
農家の人がネマトーダの複雑な社会を目で見ることができたら、自分の撒いた薬で「戦友を殺してしまった!」と気付くでしょう。
土はもともと健康であれば、空気がたくさん入っていてフワフワしています。落ち葉で作った食料があれば、自然にいいバランスが取れます。これは何千年もの進化を遂げて、微生物がいいバランスをとっている結果ともいえるでしょう。
土の中の微生物には、土の健康を守るためそれぞれの役割があります。それは「兵士」であったり、「ゴミを拾う役」であったりします。
植物の根と土の中の微生物とは、コミュニケーションをよくする必要があります。植物の根は、土の中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を吸収したいのです。ですが、それらのミネラル分が水に溶けたものでないと、根は吸収できません。
そこで農家は水溶性のミネラルを撒いていますが、それが強すぎて微生物までたくさん殺してしまい、雨ですぐに流れていってしまいます。
健康な土の中では、根は微生物と仲良くするために、光合成で作った炭水化物を提供します。それで根の部分には微生物が集まり、炭水化物を貰う代わりに、水溶性のミネラルを根に提供します。物々交換のようですね。
このことを知らない農家は、高いお金を払ってミネラルを撒き、土は微生物を失って不健康な土にしているのです。この無駄なコストと労力は省いたほうがいいと思います。
土の世話をして牛を育てる
ここで20年前から有機栽培の牛乳を作っている酪農家のRon&Bev Smithさんのお話をします。彼らがオーガニックの酪農を始めたきっかけは、Ronさんの健康のためでした。オーガニック酪農に変えてからRonさんの喘息はピタリと止んだそうです。
彼らは初めて有機牛乳を作った人たち。牛は100頭ぐらいしかいません。Ronさんは、牛1頭1頭に名前を付けています。最近は「ケイコ」など日本人の名前が増えてきました。なぜなら、彼らのところに日本人のwwoofer (Willing Worker On Organic Farm =ファームステイする人)が増えたから。
他の酪農家は、少ない牛で利益を上げるのは無理と言っていましたが、彼らは広い土地を所有し、酪農に成功し、11人の子どもを育てることができました。
彼らの「技」は牛の世話をするのではなく、土の中の微生物の世話をすることでした。牧場の芝にはクローバー、たんぽぽ、チコリなど花がたくさん咲いています。昔は2cmぐらいしか土がフワフワではなかったそうです。掘ってみるとフワフワの土はずっと深く40cmぐらいの深さまであります。
彼らの農場は坂の途中にあって、月に2回満月の次の日に水をたっぷり撒くと聞きました。満月の前に水を撒くとなぜか微生物の活動が鈍くなってしまうのです。
また彼らは普通の酪農家より土地をたくさん使います。なぜなら、狭い土地だと牛の小さな硬い足が土をつぶしてしまうからです。土が硬くなると微生物がいなくなってしまい、植物も育ちにくくなります。
普通、牛から牛乳を搾れる期間はアメリカの牛では1年8ヶ月、オーストラリアの牛は2年半、彼の牛は何と16年! また、ニュージーランドの牛の1年間の健康管理に使う費用は約$56、彼の牛は$1以内。
つまり健康な牛は牛乳も長く出せるということです。牛が少ないので出荷する牛乳の量は多くはないけれど、有機牛乳として高く売ることができ、毎年のように牛を入れ替える必要もありません。
農場にはハーブの小道も作ってあります。少し元気のない牛を見つけると、そこに連れて行き、牛自身が必要な薬草を選んで食べられるようにしています。また、ケガや病気の時に「にんにくの水」と殺菌作用のある銀の溶けた水を飲ませます。そうすることで、牛は元気になります。薬は必要ではないのです。
彼らの方法は他の酪農家のお手本になり、有機牛乳が多く作られるようになりました。 人間も健康な土からとれた作物を食べ、健康ならば、医療費にかけるお金は少なくてすむはずです。
普通の酪農家は、化学肥料や薬を必要なものだと思い込んで買ってぃます。しかし、RonさんとBevさんは自分達でそういった物を使わない方法を試行錯誤しながらあみ出しました。彼らはクリエイティブでスローファーミングしているといえます。
私達は簡単に物事を解決して結果を得ようとしがち。例えば忙しくてストレスが溜まっているときにファーストフードを食べて、余計気分が悪くなってしまうなど、悪循環。RonさんとBevさんのように周りのシチュエーションをよく観て創造的に解決すれば、素敵なスローライフが送れるでしょう。
TIPS: 簡単に土に栄養補給しよう

ホルムグレンさん宅で教えてもらった方法です。料理で使った卵の殻をオーブンに入れて乾かし、粉々にすることができます。それを植物の周りに囲むように撒くといいことがたくさん。
- 植物を食べてしまうカタツムリは、チクチ クして痛いので卵の殻のバリアを越えたが りません。
- 卵の殻のカルシウム分をゴミ箱ではなく土 の微生物に戻すことができます。
- 蝶はとても行儀のいい生き物です。植物に 白いものを見つけると、すでに他の蝶がテ リトリーにしたと思ってその植物に近づきません。彼らの子どもが競争しなくてもいいように青虫の卵も産み付けません。
