
こんにちは、セシリアです。前回に引き続き”土”のお話をします。植物は自分でできないことを土の中の微生物にしてもらっています。木の根は土中のミネラルを消化する力を持っていないので、それを微生物が助けています。微生物はその代わりに炭水化物を植物から貰っています。微生物は植物の一部のようです。
私の庭に起こったこと
North Melborneでは、庭付き一軒家に住むことは難しいのですが、私の家には幸いに庭があります。その庭は近所の4軒の家がバックヤードをシェアしていて、ちょっとした公園のようでもあります。庭をシェアしていい点は、一人が庭の世話をすると他の家の人もそれを分かち合うことができること。悪い点はそれぞれ好みが違うので、なかなか好きなようにはできないことと、リーダーがいない民主主義のようで前に進む力が足りないことです。
少し前までは、庭がジャングルのようで素敵だったのに、先日家主が庭師を雇って、大きな木以外のものは抜いてしまい、ほとんど土だけになってしまいました。
先月お話したように、土はフワフワしているほうが健康で植物にとってはいいのです。緑に覆われていない土は悪循環を起こしやすくなります。
そんなとき農家は化学的な農薬を使って養分を補給しようとしますが、化学品は強すぎて土の中の微生物を殺し、水に溶けて川に流れてしまいます。そうするとまた化学品を使わずにいられなくなります。
農業を例にとると、何年も続けて収穫だけをしていると、土の養分が減ってしまい、微生物やミミズの餌がなくなってしまいます。そうすると彼らはいなくなり、土の中のバランスが崩れてしまいます。100%すべて収穫してしまうのではなく、土に戻してやるものも必要なのです。
先月紹介した酪農家のRonさんは、土の中の微生物が足りなくなったときや踏み固められて硬くなった土にはご褒美のために、未加工の牛乳に黒い砂糖のシロップを入れ、石灰を加えてミルクシェイクのようにし、コンポストから出た液体を混ぜて発酵させ、土に撒きます。化学品を使わなくても、土は生き続けることができるのです。
土は「裸」が恥ずかしい
植物を抜き、落ち葉もすべて片付けてしまうと、土の中のミネラルがドンドン減ってしまいます。土の中の微生物が落ち葉を少しずつ食べて、土の養分にします。つまり落ち葉がないと微生物は死んでしまうことになります。
今の裸の土は、養分が少ないだけではなく、落ち葉の「断熱材」もなくなってしまいました。丸裸の地表では日中と夜の温度差が激しくなるので、温度差を我慢する微生物も少なくなってしまいます。微生物の多様性が減ると、残っている微生物もいなくなったり悪い微生物が増えたりします。
しかも、ジャングルだった緑はビニール袋に入れられ、捨てられる寸前でした。それを私が見かねて「コンポストに使うから捨てないでください」と頼みました。 ゴミに捨ててしまうより、たくさんのコンポストを作るほうが、いいことがたくさんあります。作ったコンポストを撒けば、微生物が住みやすい土を保て、花を植えやすくなります。花が咲くようになると、役に立たない余分な雑草は生えにくくなります。
庭から出た緑は捨てずに、せめてマルチにして地表の乾燥を防ぐのに役立てた方がいいです。
都市のような土の中
いい土は、生きています。落ち葉や腐った葉、生きている微生物や死んでしまった微生物などの有機物が多く含まれています。
土の中は、たくさんの道路や広場、ビルや家屋の並ぶ都市のようです。土の道路や建築物を作るのは有機物です。ミミズが土の中を通るとき、体から糊のようなものを出してセメントの役目をします。そのミミズの通ったあとに、木の根は簡単に伸びていくことができるのです。ミミズが道路を作り始めると、新しい命が土に吹き込まれます。道路、つまり隙間が多い方が、水も通りやすいし、深く下のほうまで根がすすんでいきやすくなるからです。もちろん根が成長しないと植物も成長できません。
また、いい微生物が増えるためには、酸素が必要です。酸素が土の中に届くためには道路が必要なのです。
きのこ類の真菌も生きている間に縦横無尽に土の中で体を伸ばします。その真菌が死ぬときは体が道路のように張り巡らされ、それがそのまま植物の根の成長に使われます。
また、真菌が死ぬとき、土の中の微生物がその栄養分をもらい、植物の根に補給をします。
自分の治癒力を高めよう
先月、土の中の微生物を顕微鏡で見てから、彼らのためにいい状態を保ちたくなりました。頭ではわかっていたけれど、心からそう思えるようになったのです。 何事もよく見ることで大事にすることができるようになります。表面的なことだけではなく、自分自身のこととして考えることができるようになります。そうすると解決の方法が見つかるでしょう。たとえば、意地悪な人でもよく観察すると、その人と接するのも面白くなり、どう対処すればいいかわかるでしょう。まるでミステリー小説のように。
土も人間も自分で治癒する力があります。土の治癒力を高めるには、栄養、シェルター、友達、適度なストレスが必要です。
私達は土に似ています。元気で楽しく暮らすために、ピュアな水や養分を取り、深く息をすることが必要です。
私達がストレスを感じると、のどが渇いたことを無視したり、深く息をしなくなったります。筋肉が戦う準備をして緊張し、リラックスできなくなり、血液も循環しにくくなります。
体はそうして自分をきれいにする力を減らします。頭まで痛くなる人もいるでしょう。その状態になると「疲れた、掃除したくない」「料理するのも面倒くさい」とお酒を飲みたくなる人やファーストフードに頼りたくなる人もいるでしょう。無意味に友達に腹を立てることも多くなり、現実から逃げようとします。
土に化学的な農薬をかけるのと同じように、悪い状態が続くことになりがちです。そんなときは、土を回復させるのと同じように、悪循環を断ち切りましょう。
初めは静かに座って、自分を観察します。自分の呼吸が浅くなっていないか、チェックしましょう。ストレッチをしてもいいですね。体が伸びて新しい空気や血が疲れた体を洗い流します。心地よさが広がるはずです。まずは猫や犬の真似をして、体を伸ばしてみることから始めましょう。
