サーモンの話
オーストラリアのおいしい食材の代表選手といえば、サーモンがあげられますね。そうです、今や日本だけでなく、世界中で称賛を浴びている「タスマニアン・サーモン」、または「アトランティク・サーモン」です。しかしこのサーモンの名前、何か変な気がしませんか? インド洋と南太平洋の間に浮かんだオーストラリアに「大西洋サーモン」。鮭、鱒科の魚は本来、北太平洋原生魚ですし、暖かい海水の中では生きられないので、赤道地帯を越えて分布域を広げることは考えられません。それなのに南極に程近いタスマニアとは…。
ご存知とは思いますが、オーストラリアのサーモンはすべて養殖、1960年代にヨーロッパから、その後カナダから持ち込まれたものです。以前、タスマニアのTassal社(大手の養鮭業会社)と、「タスマニアン・サーモンと白ワイン」というワインマッチングディナーをしました。5コースすべての料理に鮭やイクラを使い、白ワインと合わせる(さすがにデザートは魚ではできませんでしたが…)ものでした。これはそのとき、タスマニアから来てくださったTassal社の方に聞いたのですが、最初はたったの200匹から始まったそうです。
オーストラリアの養鮭の安全基準は、他国よりも厳しく、抗生物質入りのエサの使用禁止、広い生簀1㎥に9kg程度の鮭(他国の平均は1㎥に25kgもしくはそれ以上)、きれいな海水を保つ為の生簀の移動など、世界最高品質を保つ努力もされているようです。 (シェフ 奥村)
