S.Komatsu - いただきます - Dengon Net

S.Komatsu

2006-12-05

食の未来を予感させる新しいコンセプトを持つ店

イーストメルボルンの一角に建つガラス張りのレストラン。静かな佇まいの中で、実はグルテンフリーという革命的な試みがなされていると聞きつけ、その秘密に迫った。

グルテンフリーのビール。 いろいろな食感が味わえる前菜のシーフード3種。 エイヒレの棒棒鶏スタイル。 メインにはお米でできたパンが合う。 マスタードソースがアクセントに。 最後を飾るグルテンフリーデザート。 ジェネラルマネージャーのKazzさん。

このレストランは日本の会社NexGenEatsの経営によるもので、文字どおり「次世代の食を追う」というコンセプトを、オーストラリアの食の中心、メルボルンに持ち込んだ店。

といっても、食べる方には難しい事前学習はいらない。おいしくなければレストランに行く意味はないのだから。というわけで、ちょっとした秘密探訪の気分で、いただきます!

次世代のレストランといっても、宇宙食が出てくるわけではない。むしろその逆に、より体に良い食事を提供することに焦点を合わせている。その典型がグルテン・フリーというコンセプト。

グルテンは小麦、ライなどの麦類に含まれる成分で、これを使った食材を一切使用しないことによって、アレルギーを持った人でも安心して食べられるようになっている。

最近ではオーストラリアでもグルテンフリーのメニューを出す店もあるが、通常はメニューの一部だけで、実際の調理器具や調味料はほかの料理と共用し、アレルギーを持つ人にとっては必ずしも安全とはいえない。

この店ではグルテンだけでなく、アレルギーを起こしやすい成分である乳糖や過剰な果糖などを含む食品は、一切キッチンから排除するという徹底ぶりだ。このコンセプトは飲み物にも反映されていて、ビールまでがグルテンフリー。

現在は2種類だが、今後は更に増える予定だという。ビールといえば小麦のイメージなのだが、飲んでも違和感はなく、充分楽しめる。

身近にアレルギーを持つ人がいれば、安心して行けるレストランだが、そうでなくても、違ったコンセプトでの「食の旅」に好奇心をそそられる。

この店のおすすめは、4コースのセットメニュー(60ドル)で、これには前菜、メインコースが2皿、デザートが含まれる。またメニューに合わせたワインもグラスでオーダーできる。このワインもすべて果糖の少ないドライワインが選ばれている。

料理は基本的にグルテンを使わない魚料理だが、揚げ物もあり、肉のような食感もあり、バラエティーに富んでいる。

その日の市場での食材によってメニューを作るので、二度と同じ料理が出てくることはないという。シェフはさぞ大変かと思いきや、気さくな方で、この毎日の挑戦を楽しんでいるらしい。

素人には見当もつかないような深海魚などが、おいしい料理に変身していく。醤油一つにしても、小麦を使用していないものを日本から仕入れている。

市販の醤油は、本来の醸造過程では必要のない小麦成分を加えることでコクを出したり、量を増やしたりしているのだという。

今日のメニューの前菜はシーフード3品。ミックスナッツの衣で揚げたフィッシュケーキ、フラットヘッドのピカタ、サーモンのサラダ。ミックスナッツはとても香ばしく、新鮮な味わいだったし、サーモンのドレッシングもオレンジの風味がさわやかだった。

メイン例をいくつか試食。キングクラブとアボガドのサラダ。続いて、ソードフィッシュ、ナス、レタスのミルフィーユ仕立て。ロックリングのマスタードソース。そしてエイヒレのスパイシーセサミソース。フカヒレとは思えない鶏ささ身のような食感。

デザートはパンプキンタルト、ヨーグルトムース、季節のフルーツの盛り合わせ。グルテンを使わずに普通のタルトとまったく変わらない味が作れることに驚いたし、ムースもおいしかった。

今回紹介はできなかったがアラカルトメニューも充実しており、とくにグルテンフリーのパスタなども大人気。新メニューもどんどん研究中とのことで、まだまだこれからがおもしろいレストランだ。

ごちそうそさまでした!