
日本食に新風を吹き込む気鋭チームの新たな自信作
オシャレさとおいしさ山盛りの個性が楽しい日本食レストラン、フィッツロイのわびさびサロン。開店から3年、その人気も定着したところで、もうすぐ2号店を出すと聞いていた。今度はもっと魚に力を入れるとも聞いて、楽しみにしていた。その店が新たなアプローチで、ついにセントキルダに登場、これは大注目!

ヒラマサの焼霜ポン酢ガーリックチップ添え $20

海老そば粉天ぷらクリームマヨソース林檎の香り $21

おまかせ前菜 $29(2人用)

かぼちゃとほうれん草2種のコロッケ白味噌ゴルゴンゾーラチーズソース $23

相変わらず見るだけで楽しい内装は、オーナーのともやさんとソフィアさんのセンスが光り、1号店よりずっと広くて落ち着けるし、裏庭の金魚も必見。オープンキッチンで、お客様の反応が直接見えると、やる気満々のあつしシェフもうれしそうで、それだけでおいしいムードの中、いただきます!
この店、まず周囲にほかの店がない。セントキルダ・ジャンクションは目の前、シティーからも近いというのに静かな通りにある。隠れ家的な存在感を狙って、相当に自信あり、と見た。学生やアーティストに人気の、居酒屋的要素を持つ1号店とは違うアプローチで、一段上のおもてなしを目指している。
来店したお客さんには、まず、一杯やりながら、おまかせ前菜か、すしさしみ盛り合わせでも食べて、ゆっくりメインを選んでもらうのがお勧めだとか。
取材班もさっそく、珍しい黒糖梅酒を片手に、おまかせ前菜から始めた。この前菜が出てきてちょっとびっくり。だって、カキフライ、ムール貝の佃煮風、鴨のたたき、ひとくちコロッケ、煮ダコ、冷なすなどが並び、これだけで十分、ずっと飲めちゃうんだから。しかも黒糖梅酒はコクがあっておいしいし、ホリゴタツ式のテーブルもくつろぎを加速する。この前菜は季節などによって変わるので、何が出るか楽しみもある。一品ごとに吟味してあり、ムール貝の軟らかな味、タコのさっぱり感など、一見したときの印象をさり気なく裏切ってくれる。
しかし、ここで安心している場合ではなく、次の料理がやってきた。ヒラマサの焼霜ポン酢は、魚のまろやかな食感に、ガーリックと野菜のパリパリ感が重なり、味わい豊かで食べやすく、箸も進む。
続いては、かぼちゃとほうれん草2種のコロッケ。実は最初にメニューを見たときから気になっていた。和食のフュージョンとは聞いていたが、まさかクセの強いゴルゴンゾーラのソースで来るとは。しかも白味噌をかませるなんて、どんな味? これが意外とすっきり仲良しで、シンプルなコロッケを見事に盛り上げている。残ったソースだけで、もう一杯いけそう。
次は、海老そば粉天ぷら。こんな大きい海老を大判振る舞いしちゃって、いいの? しかも、そば粉天ぷらだけで十分珍しいのに、周囲の黒ゴマかと思ったソースは、正真正銘、りんごの風味がたっぷりで、意外性があり、一段違ったおいしさ。そうか、これが狙いだったよねと、改めて感心。
そして最後に登場したのは、和牛のたたき。これもまた、本当にアスパラがソースに活きて、上にのった野菜のしゃきしゃき感が味わいを締めていて、うれしい一品。
このほかにもメニューにはちょっと懐かしかったり、不思議だったりする料理名が並んでいて、わくわくする。例を挙げれば、「お母さんの味 かじきの煮付け」、「豚の角煮と煮卵」。炙り寿司あり、オーロラソースあり、コリアンダー風味あり…。しかも研究に余念のないシェフは、まだまだメニューに満足していないとか。4品$60からのコース料理では、彼の最新の料理が楽しめるかも。
デザートにも抹茶チーズケーキ($13)などが揃い、コーヒーも本格的でおいしい。
近所からランチやテイクアウェイの要請が出ていたので、7月末から別メニューを用意したとか。こちらもまた楽しめそうだ。
いずれにせよ、まったく違ったアプローチのわびさび2号店は、おもてなし気分には最適で、次に誰を「特別なお客様」として「隠れ家」に誘おうか、考えながら家路についた。
ごちそうさまでした!
