
100マイルをこだわり豊かに表現してくれる店
100マイルカフェは、メルボルンから100マイル以内の食材、しかも環境保全を考えた食材を吟味して使っているが、そんな素振りを見せない、極上の味わいが楽しめる。レストラン業界の仕掛け人として有名なオーナー、そして今やメルボルンの代表的シェフとなった日本人の荒金シェフのセンスが光る、食の舞台へ、ようこそ!
Roasted rabbit loin & chicken mousee in pancetta with purple congo patato, eggplant caponata and tarragon, mustard jus $33

Roast duck breast & confit leg with a cauliflower, saffron and hazelnut puree, watercress, baby leeks and broad bean caraway jus $38.50

Warm bitter chocolate fondant withcherry ice cream and pistachio praline $14
Tortellini of flathead with a hot and sour broth $18.80
Yaki Niku style porterhouse with new season asparagus, mizuna, pear and walnut salad $19.50

Pan fried King George whiting with sauteed spinach, house made daikon ponzu dressing $19.50

基本コンセプトは、裏庭で採れた新鮮な野菜のおいしさなのだという。メルボルンの裏庭、ビクトリア州からの食材を楽しむための100マイル。そこには環境問題、健康問題も関わっている。輸送によるエネルギーの浪費を避け、地元でとれた新鮮な食材を食べる方が健康にも良い。環境や資源の保全を考慮して、できるだけ有機野菜を使うし、養殖の魚や、乱獲のおそれのある魚は使わない。
食事を通じて色々考えさせてくれる素晴らしいコンセプトだが、洗練されたメニューには気負いも見えず、完成度の高いおいしさが惜し気もなく飛び出してくる。メルボルンセントラル内にあって、市内の夜景も楽しめるロケーションもいい。そんな魅力溢れる100マイルカフェで、いただきます!
実際、この100マイルという制限は、大変らしい。新鮮なシーフードで有名なタスマニアさえ、遠すぎる。デザートにいちごを乗せたくても、ビクトリア州の収穫期までは待たなければならない。幸いおいしいワインやビールには恵まれている。100マイルは越えるけど、国内でコーヒーも、味噌も見つかった。
ソース類の大半は時間を掛けて作っている…。荒金シェフの話を聞くと難関ばかりなのに、笑顔が絶えない。定評のある日本食フュージョンには欠かせないエビやマグロも使用禁止で、片手を縛られた状態なのに、そのチャレンジがまた楽しいらしい。その遊び心が反映しているのだろう、料理の質には「言い訳」がなく、相変わらず、驚きの連続だ。
まず一気に登場したのは3種のオントレー。エイジ紙で絶賛されたというスープは、トムヤム風だが辛味はなく、フラットヘッドと豆腐を使ったトルテリーニが入っている。この具の歯応えと甘さはエビかと思うほどで、ちょっとすっぱさを含んだスープとの意外なコンビネーションが絶妙。
白身の魚、キングジョージは、皮がパリパリで香ばしく、しっとりとしたほうれん草とポン酢がぴったりで、日本人の大好きな味、だけど自宅では真似できない極上の仕上がり。
そして焼肉なのだが、コクのある味噌味に新鮮なアスパラガス、ミズナ、洋ナシのさり気ないサッパリ感が加わって、いつまでも食べ続けられるリズム感の良さ。 荒金シェフの料理が見事なのは、ひと皿の中のバランスもさることながら、一緒に出てきた料理同士の個性の違いがケンカにならず、テーブル全体を盛り上げてくれるところにある。何人かで別の料理を頼んで、すべてを楽しむのがいいかもしれない。
取材班はここまでで、すっかり満足してしまったのだが、さらにメインコースが続いた。スペシャルのラビットとチキンのムースのローストは、クセが強くなりがちなラビットにチキンを合わせることで、こってりしすぎず、まったりとした余韻を残し、紫色のイモ、ナスのカポナータも、それぞれが立派な個性でメインを盛り立てる。鴨料理は、胸肉のローストと足のコンフィの2品がひと皿になっているが、同じ鴨とは思えないコントラストで、ローストは柔らかくジューシー、コンフィは香ばしさの中に濃厚さが詰まり、付け合せに散らされたかわいい空豆など、季節の野菜が活きている。
最後にはチョコレートのフォンダンとチェリー・アイスクリーム。デザート担当も日本人のめぐみさんで、味は繊細。温かいチョコレートとアイスクリームのハーモニーで、幸せ気分は最高潮。カフェと呼ぶには惜しいほど、スタッフのサービスも行き届き、「いつもと違った食事」での満足度は保証付きだ。
ごちそうさまでした!
