
Antipasto $15.50
Tortellini $18.50
Paella $21.50
Trio of gelato $11.50

無味乾燥なビルの谷間に隠された宝物のような店
今回の取材はメルボルン法曹界のお膝元、ビルが立ち並ぶ静かな一角。こんなところにレストランがあるなんて。外見も「そこそこのカフェ」という風情だし…。ところが実際、このまま秘密にしておきたいほどの嬉しい驚きが待っていた。あなたも騙されたと思って、ぜひお試しあれ。
一印象はビルの入口にある、なんの個性もないカフェだった。唯一目を引くのは、近くの裁判官がカツラを持ったままミーティングをしていることか。そうか、業界の人の来る場所なのね、裁判官って味にうるさいのかしらねという疑問が浮かぶ。
スタッフはみんな愛想がよく、案内をしてくれたステラさんもきれいな人だし、若いヘッドシェフのトレイシーさんは、とても生真面目にメニューの説明をしてくれた。フイッツロイのイタリアンレストランで修行を積んだという。その本気を感じながら、段々楽しみになってきたところで、今月も元気に、いただきます!
メニューを選ぶ段階で、スタッフ全員が口を揃えて、一番人気はダックとマッシュルームのトルテリーニだと言い切る。そういえばホームページのメインの写真でも見たような。しかし最初から本命とはいかず、まずオントレーから始めることにした。
アンティパストといえば、ちょっとおしゃれなレストランでは「無難なオントレー」の典型だ。ハムやオリーブの盛り合わせで、色々な味が楽しめる。が、「このアンティパストは絶品!」というのには、お目にかかったことがないなあ、そんな感じで待っていて、びっくりした。これで一人前!?
まず手前のカラマリから手を付けた。さすがイタリアン、柔らかくさっぱりした食感のイカ。下に敷かれたロケットがオイルでちょっとしっとりして、いい感じ。しかし、次にその右手のカリフラワーとにんじんを食べた時、「やられた」と思った。野菜の歯応えを残しながら、微妙な酢加減がやさしくて、おいしい! 真ん中にあるズッキーニも歯応えが絶妙。揚げナスはカラッと甘みに溢れ、オリーブも渋みを取るために洗って漬け直しているそうな。
ここでちょっと一息、プレツェル。これがまた、細いくせに香ばしい。続いて中央の貝に挑戦。ムール貝もあさりも柔らかさを失っていないのにコクがある。スープには貝のダシがバター味に溶け込んで、おいしすぎる。パンを付けたらいくらでもいける。最後に残しておいた帆立貝も、内側が透明なまま、ぷっくりしていて期待を裏切らない。このアンティパストだけで飲み続けられると確信した。ちなみにこの盛り合わせは、いつも同じじゃないそうなのだが、満足度は約束されていると思う。
そこに本命のトルテリーニの登場。本音を言えば、ダックはあまり得意でない記者だったが、さすが人気No. 1。ダックのちょっと渋い味付けを、むっちりとした皮が包み込んだコンビネーションがちょっと不思議で、あっという間に食べ終えてしまった。これは他では味わえない。やっぱり裁判官って味にもうるさいんだろうなあという結論に至った。
さて、ここで更にパエリアまで出てきてしまった。スペイン風というが、ご飯にシンが残るようなパエリアではなく、しっとりしていて日本人には嬉しい。ここでもシーフードが柔らかさを残していて、味わいが深かった。
最後のデザートは、ジェラート3段重ね。一番上のパッションフルーツの甘さ、真ん中のカシスの渋さ、一番下のレモンのすっぱさとそれぞれを仕切る乾燥パイナップル。単独でよし、混ぜてよし。さすがイタリアン!
今回はシーフード中心のメニューになってしまったが、ステーキなどの肉料理もある。ランチが中心で、金曜日以外はディナーがないのが惜しいが、グループのパーティーを事前に予約すれば他の日でも営業してくれるそうだ。グループ用の個室も用意されている。朝食メニューも豊富で、値段もお得だし、店で作ったマフィンやドーナツも、おいしそうに並んでいるので、次はブランチに行ってみたいと思っている。
ごちそうさまでした!
