
ラム肉が苦手な人もぜひ試してほしい、味噌漬けラムのグリル($22)。
地元のニーズに合わせて変化を惜しまない店
買い物客やカフェで賑わうブランズウィックストリート。独特の文化的な雰囲気が漂うこの通りに、オープンして今年で9年に入る日本レストランがある。
6つのメニューが楽しめるアンティパストミスト($15)。右上から時計にほうれん草のごま寄せ、サーモンマリネ、クリームチーズののり巻き、シーウィードサラダ。中央がたこのイタリア風マリネ。
抹茶とチョコレートパウダーのかかった豪華ティラミス($9)
サーモンがドーンと入ったKAZENロール($12)。わさびマヨネーズがきいている。
大好評のお弁当BOX($14)。これだけ色々入ってご飯と味噌汁もついている。
左側が板前歴25年の上田さん、スタッフのかなさん、しげさんと。
ブランズウックストリートは、メルボルンでも流行に敏感な人やアーティストが集まる場所として知られている。なぜここに日本レストランか…。そこには挑戦し続けるシェフがいた。この店はオーナーの手作り。 イタリア料理店だったのを趣きのある石の壁を残し、カウンターや棚はもちろん、屋根をつけてファンクションルームまで作った。そんなオーナーのがんばりが感じられる店で、今回はいただきます!
「普通の日本レストランとは違う」。それがメニューを見た第一印象。日本人にポピュラーな餃子や天ぷらそばなどがあるかと思えば、カルパッチョやラム肉もメニューに上がっている。オーナーシェフの上田さんにうかがうと、元々はイタリア料理のシェフだったとか。
そしてこの店は最初は「イタリアンジャパニーズ」で始めたそうだ。でも地元フィツロイのお客さんのニーズやリクエストに合わせて変えてきたという。日本食が苦手なオージーでも洋食っぽい日本食が受け入れられ始めた時代だった。日本人にも、ありきたりなすしやうどんだけでなく、イタリアンテイストを残したもの、モダンジャパニーズのようなものも取り入れてきた。だから、今でも当時からのお客さんには、メニューにないものを頼まれたりする。
常に人気のあるものは残しつつ、オーストラリアで独自の新しい料理法を生み出そうとしている姿勢が伝わってきた。なるほど同じ鶏肉でも、マリネにするのか、焼き鳥にするのか、ドレッシングやソースでガラリと変わる。あとはプレゼンテーションの見せ方にかかっているらしい。
さて、最初に出てきたのはアンティパストミスト。一膳で六つの違う前菜が味わえるお得なセット。ほうれん草のごまよせは白ごまと黒ごまが使われている凝りよう。サーモンマリネにかかっているのは、ちょっとすっぱさの残るにんじんのドレッシング。クリームチーズののり巻きは思いがけない美味しさ。ソフトシェルクラブのから揚げは、揚げたリークとマッチして塩加減もちょうどいい。たこのマリネは半日寝かして出すそうだ。
弁当BOXは、これでもかというくらい色々な物が入っている。サーモン春巻き、チキン照り焼き、サツマイモのシナモン煮、なすの煮っころがしetc…。一品料理として出される素材がこの中には少しずつ入っているので、ちょっとゴージャスなランチにもってこい。
味噌漬けラムのグリルは、味噌でラム肉の臭みが抜け、焼き加減がちょうどよい。肉を重く感じやすいのだが、これならブロッコリ、カプシコンなどの野菜と一緒にいける、いける。かかっているソースはバルサミコ酢をベースに醤油やみりんで煮詰めたものだそうだ。まさに和とイタリアンの融合。
最後の締めくくりは、やっぱりデザート。デザートメニューもすべて手作り。ティラミスは、スポンジに程よくコーヒーとサンブッカがきいている。
料理はすべてGST込みの値段。お酒も地元ビクトリア州のワイン、さらにデザートワインのBazzani Port (グラス$8) 、De Bortoli Noble One (グラス$9・50) や濁り酒など日本酒も揃っている。
オーナーシェフは自らホールに出るというのが主義、という上田さん。料理がタイミングよく出されているか、お客さんに料理の説明がちゃんとできているか、お客さんと話して気づいたことも多いという。スタッフは痒いところに手が届くようなサービスも心がけている。スペシャルメニューも季節ごとに変わり、これからも楽しみな店だ。
ごちそうさまでした!
